令和6年

① 県立都市公園の公民連携【令和6年第1回定例会 特別委員会】

会議日:令和6年3月8日【 特別委員会 】答弁要旨
安全安心なまちづくり特別委員会

県立都市公園の公民連携

大村 悠

委員会にあります都市公園に関しまして、県立都市公園の公民連携についてお伺いします。

本特別委員会では、昨年の11月に福岡県久留米市を訪問し、Park-PFIを活用した公園を視察してきました。この公園は市の中心部に近接し、カフェやトレーニングルーム等を備えた民間施設が設置されており、多くの子育て世代の方々が利用されているということで、また、様々なイベントを開催し、にぎわい創出に取り組んでいるとのことでした。そこで、視察も踏まえて、本県の県立都市公園の公民連携の取組についてお伺いしたいと思います。

まず、確認で、都市公園の公民連携の手法にはどのようなものがあるのか、お伺いします。

都市公園
課長

都市公園における公民連携には、主に三つの手法がございます。まずは、地方自治法に基づき、県が民間事業者を指定し公園の維持管理や運営を行っていただく指定管理者制度、二つ目が、都市公園法に基づき、収益施設の設置管理を行う民間事業者を公募により選定し、その収益を園路や広場等の公園施設の整備や管理に還元してもらう公募設置管理制度、いわゆるPark-PFI、三つ目が、PFI法に基づき、施設の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行うPFI事業といった手法がございます。

大村 悠

三つの手法があるということで今、御説明をいただきました。こういった公民連携の手法を取り入れるメリットについて、県としてどのように認識しているのか、お伺いします。

都市公園
課長

公民連携のメリットとしては、公園施設の建設や維持管理、運営などに民間のノウハウを活用することで、利用者サービスの向上や経費の節減、業務の効率化などが図れるということでございます。さらには、民間が主体となって様々なイベントや地域と連携した管理運営を行っていただくことで、公園の魅力向上やにぎわい創出につながると考えてございます。

大村 悠

そういった中で、県内には27の県立公園がありますが、それぞれの施設の歴史があり課題も様々あると思います。今のメリットのお話を聞いても、やはりそういった民間のノウハウや力を活用して、魅力向上、にぎわい創出ということで、積極的に公民連携の手法を活用すべきと考えています。これまで取り組んできたことについて確認させてください。

都市公園
課長

民間のノウハウを活用した公民連携の取組は、公園の魅力を高めていくためにも重要と考えてございます。県では公民連携の中心的な取組として、指定管理者制度を平成18年度から導入しており、現在26の公園で指定管理者による管理運営を行ってございます。この制度の導入により、民間の自由な発想と創意工夫の下で、例えば、保土ケ谷公園ではカフェレストランの運営や、三ツ池公園では毎週キッチンカーを出店するなど、公園利用者へのサービスが充実し、公園の魅力創出が図られております。また、湘南海岸公園にある新江ノ島水族館では、PFI事業を活用して水族館の再整備を行い、平成16年度のオープン以降、大変人気の施設となっており、現在では湘南地域を代表する観光地の一つとなってございます。さらに、令和2年度にはPark-PFI制度を活用し、観音崎公園においてバーベキュー施設を開設し、さらなる魅力創出を図ってきたところでございます。

大村 悠

27の公園のうち26が指定管理制度で、残り一つ、観音崎公園がPark-PFIを導入しているということなんですが、その中で様々、公民連携の手法としてそれぞれメリットがあると思います。そういった中で、収益性を高めて維持運営費に還元するというPark-PFIの手法も有効だと思いますが、この観音崎公園で導入されているものの、それ以外に取組がまた広がっていません。今後進めていく上での課題をどのように認識しているのか、お伺いします。

都市公園
課長

県ではPark-PFIの取組を進めていくに当たり、27か所ある全ての県立公園を対象とした民間事業者へのアイデア募集を平成30年に行っておりますが、最終的に実施に至った公園は観音崎公園の1公園のみでした。アイデア募集を行った際、民間事業者からは、安定的な集客が見込めず収益に不安があるといった声をいただきました。県立都市公園の多くは郊外にあり、平日の利用者が少なく、安定的な収益の見込みを立てにくいことがPark-PFIの取組が広まらない要因であり課題であると認識しております。

大村 悠

立地条件ということで、事業者の皆さんも課題を認識しているということで理解をしました。

確かに視察をした久留米市なんかも市街地の中心地のようなところに立地していましたので、そういった方々との利用者層は、神奈川県にとってはなかなかリンクするものではないかなということは理解をしています。そういった中であっても、やはり県立公園の魅力を向上させていくためには、民間の力、公民連携の視点は欠かせないと考えています。今後、他の公園にもPark-PFIを広げていくことについて、県としてどう考えているのかお伺いします。

都市公園
課長

県立都市公園は、市町村が管理する公園と比べ規模が大きく、緑地保全を目的とする公園も多いことから、全ての公園でPark-PFIを導入していくことは難しいと考えております。しかしながら、公園の魅力を高めていくためには民間のノウハウを積極的に活用していくことは重要と考えておりますので、導入の可能性のある公園ではPark-PFIなど公民連携の検討を進めていきたいと考えております。現在、秦野戸川公園では、観音崎公園の取組で得た教訓を踏まえ、事業手法や事業実施上の課題などについて民間事業者に対して丁寧にヒアリングを実施し、Park-PFIなどを活用した公園整備に向けて検討を進めているところでございます。

大村 悠

戸川公園でも検討されているということで今、御答弁をいただきました。やはり久留米市でも子育て世代の方々の場所として人気だというお話をいただきました。当初は違う層をターゲットにしていたけれども、結果的にそういった形になったということで現場の声もお伺いをしてきました。地域の課題やニーズ、公園によって様々だと思いますが、そういったときに県の方向性だとか考え方をしっかりと明確にする中で、事業者の皆様の考えだとかノウハウを積極的に活用してもらいたいと思います。事業者を募集する際には、県の考え方、方向性をしっかりと示して、有効的に都市公園が活性化することを求めたいと思います。

最後に、公民連携の視点も含めて、今後県立都市公園の整備、管理にどのように取り組んでいくのかお伺いします。

都市公園
課長

県立都市公園の半数以上が開園から30年を超えており、引き続き施設の再整備や長寿命化を中心に、公園の整備や維持管理に取り組んでまいります。再整備の際に大きな事業費が見込まれる公園もありますので、限りある財源を有効に活用していくためにも、Park-PFIなど公民連携の手法を効果的に活用し、魅力ある公園づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

また、引き続き指定管理者制度を有効に活用して効率的な公園の管理運営を行っていくほか、様々なイベントを実施するなど、公園の魅力創出にも取り組んでまいりたいと思います。

大村 悠

それでは、要望を申し上げます。都市公園は、緑地の保全としての役割だけではなく、地域活性化のための魅力創出も重要と考えています。また、今後、老朽化した施設の更新や地域のニーズや課題への対応など、公園の魅力を維持していくためには多くのコストもかかります。こうした取組を行政だけで担うのではなく、民間の力やノウハウを積極的に取り入れながら、収益性を高め、運営費に回すといった視点も持って、他県の事例なども研究をしながら、持続可能な公園運営、公園づくりを進めていくことを求めます。

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