会議日:令和6年6月28日【定例会 】答弁要旨
厚生常任委員会
「介護施設への補助」
まず、福祉子どもみらい関係の令和6年度6月補正予算についてお伺いしたいと思います。
今回提案されました令和6年度6月補正予算案では、福祉子どもみらい関係として一般会計約58億6,700万円が計上されています。
この内容について何点かお伺いしますが、その中でも42億円ほどを占めています介護施設の整備等に対する補助について。
この財源、積算の根拠について、まず確認をしておきます。
介護施設を運営する社会福祉法人等への補助については、国が3分の2で都道府県が3分の1を負担して積み立てている地域医療介護総合確保基金を財源としております。その内訳としましては、介護施設等の大規模修繕の際に併せて行う介護ロボットやICT機器の導入に対して特別養護老人ホームの場合ですと、入所定員1名につき45万8,000円の補助を行うため、35億1,904万円を計上しています。
また、介護施設等新たに開設することを条件とした既存施設の大規模修繕や耐震化工事に対する補助として、入所定員1名につき123万円の補助を行うため、6億4,104万円を計上しています。
さらに、介護施設等における職員の宿舎整備に対して、介護職員1名につき33平米を基準面積として工事費に対する補助として1億704万円となっております。
介護ロボットの運営についてお伺いします。
この介護ロボットにつきましては、介護代替として大変期待をされているわけですが、まず、現場の人数をどのように分析しているのかということと、どのような介護ロボットが多く導入されているのか、確認をしたいと思います。
県では、現場の人数把握のために令和6年7月に入所系の事業所を対象とした介護ロボットの導入実態調査を行いました。その結果、具体的な機器のニーズとしては、見守り支援機器が最も多く、以下、利用者の移動ですとか、移乗をアシストする移乗支援機器ですとか、あと入浴支援機器が続いております。
また、補助金の交付実績においても、見守り支援機器の導入に対する補助が最も多く、現場の人気が高いと思います。
見守り機器は利用者が使用するベッドや個室空間にカメラやセンサーを設置して職員がその場にいなくても利用者の状況確認を行うことができるため、施設内の巡回による介護職員の身体的、または心理的な負担を軽減できることから、事業所でのニーズも高くなると思われます。
今、県の分析について確認させてもらいました。
そういった中で、多く導入されている見守り支援機器、また、入浴の補助の機器などという答弁をいただきましたが、なかなかまだまだ事業者の中で導入が進んでいないところも多いと聞いています。
導入が進んでいない要因を県としてはどう分析しているか、お伺いします。
先ほど申しましたアンケート調査では、介護ロボットの必要性を感じながら導入できない理由として、機器が高額であったりといった意見とか、導入に当たって何から手をつけてよいのか分からないなどといった御意見がありました。こうした意見に対して、県では、介護ロボットやICTの導入に対する事業所の理解を深めて、介護現場の様々な課題に対する相談窓口として、令和6年4月に介護生産性向上総合相談センターを開設しました。
この相談センターで把握した課題等については、産業労働局さんと連携し、介護現場でのニーズに合った介護ロボットの普及や開発、改良に向けた取組を推進しています。
ご答弁いただいた総合相談センターについて、そこには、これから導入したい人と既に導入しているけれども拡大したい人、様々いらっしゃると思うんですが、新規で導入したいという方とは、単独でもいいですけれども、結構相談来ているものなのでしょうか。
なかなかロボット導入に対して金額、あと、抵抗を感じてしまうという業者も多いと思うんですけれども、その辺、県としてどう認識しているのか、お伺いしたいと思います。
4月以降の相談ですけれども、やはり事業所からの相談も多いというふうに聞いております。
また、開発業者からも一定程度相談を受けているというような実態です。
産業労働局とも連携をしてということだったんですが、この神奈川県が進めているロボット産業特区の取組でも、なかなかロボットの導入が進んでいないという課題を持っている中で、どのように連携をしているのか、お伺いしたいと思います。
産業労働局では、生活支援ロボットの実用化を通じた地域の安全・安心を実現するためにさがみロボット産業特区、こちらで生活支援ロボットの実用化、普及の推進に努めています。
一方で、介護現場からは、消極的な事業者もあるということも実際にございますので、こうした現場のニーズに対応するため、産業労働局では、ロボットの開発などに向けて取り組んでおりますが、今年度から新たに産業労働局では、介護事業所の協力を得て、ロボットの効果検証、これを行う事業を実施しておりますが、事業計画の策定や事業者選定などの段階から当局とも連携しながら広く選定し、介護施設生産性向上に向けた取組を推進していきます。
今の答弁の中で、今年度から効果検証の取組を進めていくとあったんですが、私の認識では、前から大きな病院等で実証実験をやっているという認識だったんですけれども、この辺はどうでしょうか。
これまでももちろん取り組んでおるんですけれども、新たに産業労働局でも補正予算等組んだりして、令和6年度以降、新しい事業として取り組んでいくというふうに聞いております。
ぜひともここは局を越えてしっかりと連携をして、情報等も共有をして、次に進めてもらいたいと思います。
それでは、要望を申し上げます。
今年3月に改定されたかながわ高齢者保健福祉計画において、本県では今後高齢者が急増する中で、16年後の令和22年には約4万6,000人の介護士が不足することが予測されています。
介護現場における介護ロボットやICT機器の導入は介護職の業務負担の軽減につながり、人材確保に貢献できる手段の一つとして非常に有効なものと考えています。
介護ロボットについては、いわゆるロボットというものだけではなく、見守りシステムやサポート通知など、様々な種類があると認識をしています。
有効的に活用している施設の事例に倣って、まだうまく活用できていない事業者に対して事例紹介したり、相談支援センターを通じてサポートをしていくことを要望したいと思います。
また、こうした補助事業は既にロボットやデジタル化を進めている事業者がうまく活用して、使い方が分からない事業者が活用できないといった例もあることからも、うまく活用できていない事業者に対して県からも積極的にサポートしていくことを要望したいと思います。
自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠