会議日:令和6年6月28日【定例会 】答弁要旨
厚生常任委員会
「こども目線の支援」
次に、神奈川県子ども・子育て支援推進条例の改正についてお伺いしたいと思います。
報告資料の中に、平成19年10月に制定した神奈川県子ども・子育て支援推進条例を子供の目線に立った施策を推進するため改正することとし、今般、その改正素案について報告がありました。
この改正につきましては、国のこども基本法が の流れがあったということは承知をしていますが、改正素案のポイントについてお伺いします。
今回の改正では、今までの条例の従来の子ども・子育て支援といった視点から、子供の目線に立った施策を推進するための条例につくり変えたいというふうに考えています。
今までは子供を発達の途上にある支援が必要な者というふうに捉えていて、保護者ですとか、保育園といった支援者の立場や意見を重視した子ども・子育て支援というのを行ってきたところですけれども、今後は、子供を権利の主体として尊重し、子供が社会で健やかに成長するために周知がどう支援していけばいいのかという子供目線で施策を推進していきたいというふうに考えています。
ポイントとしましては、子供の権利の保障ですとか、意見表明の機会の確保、意見の反映など、子供の最善の利益を優先して考慮すること、これを基本理念に掲げるとともに、この理念を実現するための基本的な施策として子供権利擁護の施策ですとか、ヤングケアラーなど、近年顕在化した課題への対応というのを位置づけています。
子供の権利主体をということの考え方の答弁をいただきましたが、先日の我が会派の代表質問の中で条例改正について、どのように当事者の意見を聞き、反映させていくのかという質問に対して、知事からは、デジタルを活用した新たな仕組みの導入や子供と密接に意見交換をする取組、さらには子供自身が考えた政策を実現するプロジェクトなどの答弁がありました。
そこで、その取組について詳しく伺いますが、まず、デジタルを活用した新たな意見聴取の仕組みとはどのようなものか、お伺いしたいと思います。
子供の意見反映について、令和5年度から実施してまいりました子ども目線会議は対面形式で行ってきましたが、対面での会話が苦手な子供やほかの人に知られずに意見を伝えたい子供でも参加できる仕組みとして、今年度から新たにインターネット上のプラットフォームを活用して意見聴取する仕組みを構築しました。
具体的には、時間の制約なくじっくり考えた上で意見を投稿できるオンライン掲示板や県だけに自分の考えを伝える意見箱のほか、子供同士がリアルタイムで意見交換ができるオンラインワークショップも行う予定です。
今、取組について御答弁いただきましたが、この事業に対する予算というのはどのぐらいで組まれているのか、お伺いしたいと思います。
このデジタルを活用した子ども目線会議については、運用費としてはおよそ950万程度予算として確保しているところです。
この子どもの意見聴取、子どもの年齢とは何歳までなのか、まず確認したいと思います。
対象となる子供の年齢につきましては、6歳から29歳までとしておりまして、これは国での取組と併せたものとなっております。
先ほどの答弁の中で確認したところ、オンライン掲示板ということですが、その内容についてもっと詳しくお伺いしたいと思います。
オンライン掲示板についてお答えいたします。
インターネット上にプラットフォーム置きまして、そこには、まず、誰でも、みらいキャンパスという名前でしているんですけれども、書いていただいて、そこでいろんな方の意見を自由に見た上で、ニックネームでアカウントを作成して御参加いただくことができます。
現在、意見を聞くテーマとして、皆さんから見た子供目線とはということで、皆さん、どんな状況であれば意見や気持ちを話しやすいでしょうかであるとか、誰もが自分らしく幸せに暮らすことができる社会とはというテーマを投げかけて、書き込んでいただく仕組みとなっております。
ニックネームで登録できるということは、匿名での投稿ができるという認識でいるんですが、匿名のメリットとして、対面では相談する、意見表明することがなかなか難しい方にとっては、参加しやすいという傍ら、なかなかネガティブなことも言いやすい。危険性も増えているということも感じています。
その辺り、どのように県として認識しているのかということと、リスクヘッジをどう考えているのか、お伺いします。
オンライン掲示板の運用につきましては、ファシリテーターを置いて常時意見交換の様子を確認をしまして、円滑な意見交換を随時促すとともに、今御指摘ありましたような不適切な投稿があった場合には、まず内容を確認し、非表示とした上でメッセージを送って注意喚起をするなど、あるいは、本当にそこが荒れたりした場合には投稿を止めたりするなどの対策を取っていく予定でございます。
ファシリテーター、専門家の方がなるんでしょうけれど、今、社会に出ているYahoo!知恵袋や、2ちゃんねるなど、そういったことも匿名だと思うんですが、もちろん大きい仕組みの中で様々な対策を取られていく中でも、問題が発生しているというのも事実だと思います。
そういった中で、今回、県が行政としてこういった取組をするという中で責任問題も関わってくると思いますので、そこは子どもたちの意見表明ができるという可能性だけではなく、危険性も隠れているということもしっかりと認識をしてもらいたいと思います。
そういった中で、今お話しさせてもらいましたが、こういった掲示板を行政としてやる意義というのもどう認識しているのか、お伺いします。
インターネット上でプラットフォームを提供することのメリットといたしましては、時間、場所を選ばずに様々な子供たち、若者が参加しやすいということがありますし、匿名で思ったことを書いていただける。それに対していろんな人からの、またリアクションがもらえて、そこで意見交換が進むというメリットがありますので、そこを最大にしながら、不適切な書き込み等のリスクにしては最小化をする努力をしながら運営してまいりたいと思います。
こういったことを行政がやるということは、子どもたちにとっても安心して信頼してもらえることが重要で、希望を持って投稿する子どもたちにとっては、表明をすれば反映されるかもしれない、そうすることによって、よりよい社会になるかもしれないという希望を持った子供たちもいらっしゃると思いますが、中にはネガティブな考え方をしている方たちもいます。
そこら辺、県として様々な想定をした上でこれからも検討してもらいたいと思います。それでは、要望を申し上げたいと思います。
今回の条例改正では、保護者や子供、保育所など、子供を取り巻く周辺の関係機関の支援を中心とした子育て支援から子供の目線に立った施策を推進するよう改正するとのことですけれども、条例改正だけではなく実行性のある取組へと転換していくことを期待しています。
子供等の意見を反映するためには様々な取組を検討していることは質疑の中でも確認させてもらいました。
選択肢が増えることはいいことですが、有効活用されなければ無駄になる。また、取組を進めることで、結果、マイナスになってしまうということも考えられますので、そういった可能性にも向き合い、子供の目線に立って最悪のケースも想定をして検討していくことを要望したいと思います。
自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠