令和6年

② 通所系障害福祉サービス事業者の利用者の送迎について【令和6年第2回定例会】

会議日:令和6年7月4日【定例会 】答弁要旨
厚生常任委員会

「通所系障害福祉サービス事業者の利用者の送迎について」

大村悠

通所系障害福祉サービス事業者の利用者の送迎についてお伺いしたいと思います。

通所系の障害福祉サービスを利用する障害者の送迎についてですが、障害があるお子さんが特別支援学校を卒業後、日中活動として生活介護や就労継続支援といったサービスを利用しています。
その中で、事業所への送迎を希望しても日数が限られていたり、送迎をしていない事業者もあるため、家族が送迎を担うことによって、一定の負担となっていることを聞いています。
そこで何点かお伺いしたいと思います。
まず事業者が送迎をする際、サービスの対価として得られる報酬加算制度があると承知をしていますが、この加算についてどのような要件になっているかお伺いします。

参事兼障害サービス課長

生活介護ですとか、あと就労継続支援事業所といったサービス、通所系のサービスでは、週に3回以上、または一定数の利用者に対し、自宅と事業所との間の送迎を行っている場合には、片道ごとに送迎加算を請求することができます。また、事前に利用者との合意があれば、利用者の自宅だけではなくて、最寄駅などとの間の送迎も加算の対象になると思います。

大村悠

制度については確認をさせてもらいました。
実際に利用されている方が週5日施設を利用していても、週2日しか送迎をしてもらえないという声も聞いています。
残る利用につきましては、家族が送迎せざるを得ず、仕事にも影響が出ているという話も聞かれましたけれども、県としてこうした実態を把握しているのかお伺いします。

参事兼障害サービス課長

送迎につきましては、各事業所が地域の公共交通機関の状況ですとか、通所される利用者さんの状況、実態を確認しながら行っていると承知していまして、現時点で県に送迎に対しての拡充についての要望というものは届いておりません。
どのくらいの事業所が送迎加算を取得しているかについては、我々加算の届出状況で確認できまして、例えば食事介助ですとか、排せつ支援、こういった支援を中心とした提供する生活介護事業所におきましては、県内の事業所の8割以上が加算を届け出ている状況でございます。
しかし、この加算が一人の利用者さんで見た場合に、週に1回の利用であっても、事業所全体で要件を満たしていれば、いろいろ請求ができますので、送迎の具体的な利用状況についてまでは把握ができない状況でございます。
また、利用者やその御家族が事業所の送迎に対して、どの程度満足されているのかといったことについても今、現在把握できていないという状況でございます。

大村悠

今の答弁では、利用者は週1回であっても、事業者が週3回送迎を実施すれば加算要件になるということで理解をしました。
制度としては理解をするんですが、こういった利用者の皆様が通所の障壁になってしまっているというのも事実だと思いますので、そういった実態につきましては、今、なかなか声が届いていないということなんですが、しっかりと状況を把握することが重要だと考えております。
そういった中で、改めて現場の実態を調査して、国に対してもそういった状況を踏まえて加算の改善などを要望すべきだと考えていますが、どのように考えているのかお伺いしたいと思います。

参事兼障害サービス課長

生活介護、就労継続支援といった通所系の事業所については、障害者の方が地域で生活する上で欠かせない日中活動、または就労の場になっていまして、利用者の方々が本当に望む場所に通えるということが重要だと考えています。
関係する市町村の市のほうでは、公共交通機関の状況などによって、事業所への送迎が当事者の方、また家族の負担になっているというところについては、そういった認識を持っている地域では、独自の補助なんかも行っているというのは承知しております。
県としては、現在国に特段の働きかけなどは行っていない状況ではあるんですが、まずこうした地域の実情を把握している市などへのヒアリング、さらには障害当事者の方、家族、関係団体との意見交換の場など様々な機会を捉えて、まず直接話を伺って、実態を確認した上で必要な対応というのを考えていきたいと思っています。

しっかりと状況を把握するために、そういったヒアリングや意見交換を、しっかりと進めてもらいたいと思います。
それでは、この質問の要望を申し上げます。
通所の手段は様々ですが、こういった送迎がなければ御家族の負担につながってしまうと考えております。
国の送迎加算や市町村による助成があっても、利用と送迎が一体となっていなければ、なかなか利用者にとっても負担につながってしまいます。
県はしっかりと障害当事者やその御家族の声に耳を傾けていただき、通所に対する実態を把握するとともに、国に対して支援の改善を要望するなどしっかりと対応することを要望して、この質問を終わります。

自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠

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