令和6年

神奈川県立病院機構第四期中期目標の策定【令和6年第3回定例会】

会議日:令和6年10月3日【厚生常任委員会 質問】答弁要旨

「神奈川県立病院機構第四期中期目標の策定」

大村悠

次に、神奈川県立病院機構第四期中期目標の策定についてお伺いします。

今回の第四期中期目標の主なポイントとしているこども医療センターでの医療事故で指摘された課題への対応について、業務機構に対してどのような指示をするのかお伺いしたいと思います。

県立病院課長

こども医療センターでの医療事故を契機に設置をされました外部調査委員会などは患者の安全確保に係る基盤整備や事故の未然防止、重大事故発生時の対応といった医療安全に関することのほか、組織内での情報共有や県への報告・公表といったガバナンスの問題についても指摘や提言がございました。

そこで県では、第四期中期目標において、患者・家族目線に立った医療提供や医療安全対策の推進はもとより、内部統制の強化や重大事故等に係る報告の徹底などガバナンスの強化についても盛り込んでおります。

具体的な内容としましては、例えば、患者・家族目線に立ったインフォームドコンセント体制整備の推進、全ての職員に対する医療安全研修の実施、全ての職員による病院機構の理念や基本方針の理解、コンプライアンスの推進など適正な業務運営の推進による内部統制の強化、医療事故など重大な事案が発生した場合の報告の徹底といったことを指示していきたいと考えております。

大村悠

今、答弁いただいたことというのは重要なことだと思いますけれども、実際、これまでもそういった指示等はしてきたと思いますので、しっかりとそういった改善に結びつく形で伝わるように、県としても責任持って対応してもらいたいと思います。

同様に、ポイントとして記載されています医療需要の変化や働き方改革への対応についてということで、病院機構に対して具体的にどのような必要なことを指示するのかお伺いします。

県立病院課長

今後、少子・高齢化の進行により複数の病気を抱える患者の増加など医療需要が大きく変化していくことが見込まれております。

そこで県では、第四期中期目標において、医療DXの基盤整備により、病院機構内の病院間において連携や支援をするなど共同診療体制を構築し、県立病院が変化する医療需要に応えることができるよう指示していきたいと考えております。また、医師をはじめとする医療従事者の働き方改革も進められており、生産年齢人口の減少も踏まえ、限られた医療資源を効率的、効果的に活用していく必要もございます。

そこで、第四期中期目標におきましては、タスクシェアやタスクシフト等により職場環境の改善を図り、職員の能力が十分に発揮され生産性が向上するような取組の推進とともに、働き方改革の視点からも、業務の効率化に資するよう医療DXの推進について指示をしてまいります。

大村悠

医療DXということで、今、働き方改革や業務の改善など、そういった方向性というかメリットについて答弁いただきましたが、この医療DXをより広げていくためには、やはり患者さんに利用してもらってそのメリットを感じてもらうことが重要だと思います。

医療DXを進めることによって患者さんにはどういったメリットがあると考えているかお伺いします。

県立病院課長

医療DXを進めることにより、患者さんにとっては、例えば自宅で待ち時間なく専門の医師によるオンライン診療を受けられる。また、複数の医療機関で診療データが共有されることで検査が減って処方されるお薬も適正化する。さらに、対面診療の場合、会計の待ち時間が少なくなるといった多くのメリットがあるというように考えております

大村悠

今答弁いただいたものは医療DX全般としてのメリットだと思いますが、病院機構としてそういった施設を、設備とか仕組みを導入することを検討しているという認識でよろしいでしょうか。

県立病院課長

病院機構としてもそういったことは考えておりますし、私ども県としても次の中期目標でそういった部分を指示していきたいというふうに考えております。

大村悠

この厚生常任委員会でも島根に視察をさせてもらって、このDXを進めていくためには患者さんに利用してもらうということが重要だということを学ばせていただきました。

そういった中で、先ほどの予約システムによって待ち時間が減らせる、また、クレジットカードを登録させて、受診が終わったらそのまんま帰れるようにするなど、DXに抵抗を感じてしまう層もいらっしゃると思うので、便利なんだということをしっかりと分かるためにも、患者さんにとってのよりよい医療DXを進めていくことを要望します。

次に、病院機構は県が指示する第四期中期目標を踏まえ中期計画を作成するとのことですが、スケジュールについて確認をしたいと思います。

県立病院課長

まず、今回素案ということで御報告をさせていただいている県が策定する第四期中期目標については、11月の定例会で議決をいただき年内に病院機構に指示をしたいというふうに考えております。

病院機構が作成する第四期中期計画につきましてはこの中期目標を踏まえることになりますが、既に作成の作業には取りかかっております。10月から11月にかけて、神奈川県立病院機構評価委員会から意見を聴取した後、12月の厚生常任委員会にこの中期計画の素案として報告をする予定で考えております。そして、年明け2月の本会議に議案として上程をいたしまして、議決をいただいた後、中期計画について知事が認可を行いまして、令和7年4月からこの新たな中期計画に基づき病院機構が業務を運営していくという予定になっております。

大村悠

県は県立病院機構の設立団体として第四期中期目標の指示を通じて県立病院をどのような病院にしていこうと考えているのか、最後に確認したいと思います。

県立病院課長

第四期中期目標の期間においては、まずは医療安全やアドバンスの問題、経営改善など第三期中期目標期間中の課題にしっかり対応してほしいと考えております。

そして、今回の中期目標の中に位置づけました長期ビジョンで示す10年程度先の県立病院の目指す姿を見据えて、医療DXの推進など新たな取組も取り入れながら、県の医療政策における役割を着実に果たしつつ、これまで以上に法人の自立性、自主性を発揮して、県民の信頼と期待に応える医療を継続して担うことのできる県立病院にしていきたいと考えております。

大村悠

最後に要望を申し上げたいと思います。

こども医療センターにおける医療事故を契機として、病院機構及び各病院は県民から厳しい目が注がれています。再度県立病院に求められている責任ということをしっかりと受け止めて対応してもらいたいと思います。

今年4月以降、新たな理事長の下で改革の取組が進められていると承知をしていますが、病院機構の設置者である県としても、県民にとってよりよいものなのかということを常に視点を持って、そうした取組が着実に進められるよう新たな中期目標を通じてしっかりと指示してもらいた

いと思います。

また、医療DXについては病院側の業務効率化も重要ですが、DXを広げていくためには患者や利用者がメリットを感じてもらうことが重要と考えております。県としても医療DXを漠然としてではなく、しっかり強調して指示をして取組を進めていくことを要望します。

自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠

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