会議日:令和6年12月10日【厚生常任委員会 質問】答弁要旨
「こども・子育て支援」

神奈川県こども目線の対策推進条例についてお伺いをします。
こどもの意見表明の機会確保、意見の反映がポイントということですが、具体的にどういった点が現行条例と違っているのか、確認します。

こどもの意見表明についての規定は、今回の条例案で新たに規定するものとなっております。こどもは権利の主体であり、こどもの意見表明や社会参画の機会を確保することは大変重要であることから、これらの規定を第2章の基本的施策の先頭に位置づけています。
また、こども基本法においては、こども施策の策定等に当たっては、こどもの意見を反映するために必要な措置を講ずるという規定がありますけれども、県条例案では、この規定をさらに一歩踏み込んで、こどもの意見を聞いた後、県はどう考えて、どのように対応したかという結果をこどもたちにフィードバックするといったような規定を設けています。

今回条例案を作成する中で、こどもや保護者などからの意見をどのように反映したのでしょうか。

これ、条例案を作成するに当たって、パブリック・コメントなどを実施しているところですが、保護者から意見の多かった経済的負担を含めた子育ての負担軽減については、条例の基本理念の一つに掲げるとともに、子育ての負担軽減の解消を図るため、相談対応や情報提供、その他必要な支援を行うという規定を設けています。
また、こどもから意見が多かった子供の意見表明の機会の確保については、先ほど申し上げたとおり、こどもから聞いた意見のフィードバックも含めて、基本的施策の先頭に設けたということ。
また、同じくこどもから意見が多かったこどもの居場所づくりについては、安心して過ごせる居場所を確保するための環境の整備に努めるという規定を新たに設けたところです。

この条例の制定についても、制定するだけではなく、様々な課題も踏まえて、実効性が高まるものとなるように、しっかりと対応していくことを要望します。
次に、かながわ子ども・若者みらい計画(仮称)の素案についてお伺いをします。
こどもの意見表明の機会確保に関する施策のほかに、現行計画にはなかった新たな施策としてはどういったものがあるのでしょうか。

新たな施策、一例としましては、保育所を利用する保護者と保育士、双方の負担軽減を図るために、使用済みの紙おむつの園での処分を進めたり、お昼寝用の簡易ベッドやおむつ保管庫などの物品整備を支援する手ぶらで保育の推進ですとか、こども、若者が安心して過ごせる多様な居場所づくり、また、LINEを活用して子育てに関する情報を分かりやすくタイムリーにお届けする子育てパーソナルサポートによる情報提供、こういったものを新たに位置づけています。

今回報告されている資料の中で、教育・保育の需給計画について、各年度の需要量と供給量を比べますと、1歳児の受皿が不足していると確認ができます。
多くの待機児童が発生する状況にありますが、どのように対応していくのでしょうか。

幼稚園、保育園、認定こども園などに関する教育・保育の需給計画、これについては、各市町村から提出のあった数値を積み上げて、今、計画素案の中に入れているという状況です。
今回提示している素案の数値については、各市町村の暫定値というふうになっておりまして、引き続きニーズに当たる需要量を精査するとともに、このニーズに見合った供給量を確保できるように、これから市町村と調整していきたいというふうに考えています。

これから調整ということなんですが、今困っている方もいらっしゃるということもしっかりと念頭に考えて、しっかりと対応してもらいたいと思います。
次に、各施策の数値目標をどのような考え方で設定をしたのでしょうか。

数値目標については、現行計画に位置づけている数値目標を継続して設定するほか、各局の取組のうち重要と考える施策について、その進捗を確認することができるような指標を新たに数値目標にして設定しています。
新たな数値目標としましては、こども、若者の社会参画、意見反映に関する数値目標として、子ども・若者の意見聴取事業における子供、若者の延べ参加人数、こういったものを数値目標として設定しています。計画を着実に推進していくため、数値目標については、既存の三つの計画で設定している37項目から、新たな項目では53項目というふうになっております。

計画は、策定するだけではなくて、しっかりと引き続き点検、評価することも重要だと思いますが、どのように進めていこうと考えているのでしょうか

点検、評価につきましては、毎年度、計画に位置づけた施策の実施状況ですとか、数値目標の達成状況などを確認して、点検、評価を行い、報告書を作成し、その結果を公表していきたいというふうに考えております。
点検、評価に当たりましては、庁内で部局横断的に子供施策を推進する子ども・青少年未来本部、こちらで審議するほか、有識者や関係団体の代表者、当事者である子供、若者などで構成する子ども・若者施策審議会においても御審議いただきまして、多角的な視点で点検、評価を実施していきたいと考えております。
また、点検・評価結果や社会情勢の変化、国の施策の動向、市町村計画の見直し、こういった事情も踏まえて、必要な場合には、この計画期間の中間年を目安に、計画の見直しも視野に入れて検討していきたいというふうに考えております。

今回計画として示されていますが、今後進めていく中で、状況、ニーズというものも変わってくることも考えられます。
その辺りは柔軟に対応していくことを要望して、この質問を終わりたいと思います。
自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠