令和7年

児童相談所の一時保護所の拡大【令和7年第1回定例会】

会議日:令和7年3月5日【厚生常任委員会 質問】答弁要旨

「児童相談所の一時保護所の拡大」

大村悠

次に、かながわ子ども・若者みらい計画プランについてお伺いをします。

まず、12月定例会で報告された計画素案からの変更点について確認します。

次世代育成課長

変更点ですが、まず令和7年度当初予算に新規事業として計上しました事業、例えば市町村が実施する低所得世帯と多子世帯の中学3年生向けに学習クーポンを配布するといった事業ですとか、あと保育士の就業継続支援に向けた宿舎の借り上げの補助などを新たに計画案の中に位置づけたところです。

またあわせて、この計画は幼児期の教育、保育の需給計画、いわゆる幼稚園や保育園のニーズはどれだけあって、供給がどれだけあるのかという計画がありますけれども、素案の段階では1歳児の保育ニーズに対して、受皿である利用定員が不足していると。ニーズに対して供給が足りていないという状況でしたが、各市町村と個別に調整をしまして、計画値を改善しまして、計画最終年度である令和11年度には、全ての市町村においてニーズを満たすだけの受皿が用意できるといった計画案になりました。

大村悠

この計画案については、主要施策の先頭に子供・若者の社会参画、意見反映が位置づけられています。 子供の意見表明の機会確保ということが大きなポイントの一つだと思いますが、計画案では具体的にどういった施策を位置づけているのか確認します。

次世代育成課長

昨年12月に制定いたしました神奈川県こども目線の施策推進条例、これの第9条のところに子供の意見表明の機会の確保、意見の反映といったものを規定しています。
これを受けて、具体化するために計画案では、例えば対面形式で子供たちの意見を聞く未来トークといった取組、またオンライン上の掲示板など、デジタルの技術を活用して意見を聞く未来キャンパスといった取組、また子供・若者から提案していただいて、それを県で事業化して実現する子ども・若者みらい提案実現プロジェクト、こういった事業を位置づけています。
また、この計画など、子供・若者に関する施策を審議する子ども・若者政策審議会あるんですが、こちらの委員にも、 社員として子供・若者を登用するといったことも計画に盛り込んでいます。
またあわせて、児童養護施設に入所する際などに、児童相談所が当事者である子供の意見や意向を酌み取って代弁する取組、こういったような取組を位置づけております。

大村悠

様々な意見表明の機会の確保について取組を確認させてもらいました。
計画が策定をされて、社会的な機運として、子どもの権利や意見を尊重しようという中ですので、この計画を着実に進めてもらいたいと思います。
取組のスタート段階が重要であると考えており、そのためには、子どもたちにとって聞いてくれている、声が反映してくれていることを実感してもらうことが、大切だと思います。 この計画案は来年度から施行することになりますが、計画の実効性をどのように担保していくのかお伺いします。

次世代育成課長

計画の実効性を担保していくためには、県だけではなくて、子育て支援の実施主体である市町村ですとか、県民の方、企業 団体の方、事業者の方との連携や協力といったものが不可欠になっていきます。
そのため、まずは計画の分かりやすい版を作成しまして、その周知に努めるとか、市町村との会議を通じて課題を共有するですとか、県民性を総ぐるみで子供・若者を支える機運を醸成するといったための県民運動隊、これを再編していくといったことに今後取り組んでいきたいなというふうに考えております。
また、子供・若者や子育て当事者との対話を通じて、様々なニーズを的確に捉えて、計画期間の中間年を目安に計画の見直しといったものを検討していきたいというふうに考えています。

大村悠

計画を立てるだけではなく、実効性をこだわってこれからも取り組んでいただくことを要望します。
またこの計画案につきましては、児童虐待防止対策が位置づけられています。
令和7年度当初予算案にも、これらに関する新たな事業が計上されていますが、まず児童相談所の一時保護所での定員超過に対応するために必要報償費に関する予算が幾つか計上されている点についてお伺いします。zまず、一時保護所の定員超過の状況と、保護児童が増加する要因について改めて確認をします。

子供家庭課長

児童相談所の一時保護所につきましては、令和3年度までは年間の平均保護人数が定員である80人を下回る、そういった状況でございましたが、令和4年度は92.2人と80人を上回る。
さらに5年度が94.4人。さらに今年度は1月末までですけれども、105人ということで、超過状況が徐々に徐々に大きくなっている、そういった状況でございます。
このため、既存の居室、子供たちの居室では足りない状況がありまして、面接室ですとか、一時保護所の中にあるんですけれども、面接室ですとか、市民のお部屋、あるいは職員の休憩室、これを子供の居室にしている状況がございます。
また、一時保護児童が増加している要因ですけれども、大きく二つございまして、一つはやはり近年児童虐待についていろいろ、死亡事案も含めてですけれども、重大事案がありまして、今はそういったところでも、その教訓から、全体として子供の安全を最優先とした、そういった、まず保護した上で調査する、そういったケース対応が流れてきているというところが一つ。

もう一つは児童養護施設の人手不足がありまして、やはり定員まで子供をなかなかそういった状況で受けることができない。そうすると一時保護所に子供たちが入所を待機する、保護児童が増えているような状況になります。

大村悠

令和4年度から定員超過ということで答弁ありましたが、定員超過に対応するために、面接室や職員室を活用して対応するということで、今現状について確認しました。
その上で、大和綾瀬地域児童相談所の一時保護所の再整備に向けた準備、また県立施設の空きスペースを活用して暫定一時保護所を整備するということで報告がありますが、それらの具体的な内容について、お伺いいたします。

子供家庭課長

まずは、定員数を緊急で増やす必要がありますので、県立施設の空きスペースを利用した暫定的な一時保護所を設置をいたします。具体的には、令和7年度に15名、さらに令和8年度に15名を加えまして合計で30名の定員を確保したいと考えております。
また、大和綾瀬地域児童相談所の一時保護所につきましては、再整備を行いまして、現行の定員数を増やすことを想定し、検討を進めているところでございます。

大村悠

2年間かけて30名を増加ということで今答弁ありました。
1月末で105名、もともと定員が80人に対して30人増えるということで、単純計算で110名だと思うんですが、今後増加してくるかもしれないと考えられる中で、30名で十分なのかということと、今後の考え方についても、現時点で答えられる範囲でお伺いします。

子供家庭課長

緊急で今回30名、2年間かけて増やすということですが、県としてはやっぱりこれではやはりまだ足りないというふうに考えておりまして、先ほどの大和綾瀬地域児童相談所、これも定員を増やすということで再整備ということなので、これプラス、まだ数がちょっと明確ではないです。
けれども、さらにこれに上乗せしていくということで、全体では、将来的には130名を役員を必要だというふうに考えております。

大村悠

先ほどの答弁もありましたが、まず守る体制をつくって、それから調査をするという、社会的な流れもありますし、子どもを守るためにも重要なことだと思いますので、そのキャパの拡大については、引き続きしっかりと取り組んでいただくことを要望します。

次に、児童虐待を未然に防止するために、児童家庭支援センターを1か所設置するということですが、具体的にどう役割を果たしていくのかと、1か所で圏域全てをカバーするという認識でいるのか、合わせてお伺いしたいと思います。

子供家庭課長

まず、児童家庭支援センターの役割についてですけれども、直接家庭からの相談に応じるほか、市町村で専門的な助言あるいは子育てに様々な課題を抱える御家庭を支援していく、こういったことでの役割になります。
こうした児童家庭支援センターの取組は、やはり児童虐待の未然防止ですとか重篤化の防止につながりまして、長期的には、先ほど申し上げた、一時保護所の定員超過の改善にも寄与するんじゃないかというふうに考えています。
また委託先としては、市町村のショートステイ、そういった事業を担っている社会福祉法人さんに担っていただくことを想定しておりまして、センターですけれども、地域に密着した相談機関となりますので、1か所で当然全県をやっぱりカバーするのは難しいと考えております。

まず我々としては、県としては、まず最初の1か所目のこのセンター事業、まずその効果、検証というか状況を見ながら、さらなる設置の必要性について今後検討していきたいというふうに考えております。

大村悠

要望を申し上げます。

子どもたちの子ども・若者目線に立った施策の推進を通じて、子どもや若者一人一人の望みと願いを尊重しながら、誰もが自分らしく幸せに暮らせる社会の実現ということで、理念を掲げていますが、実現するためにも、子どもたちの当事者のお声をしっかりと聞いていくとともに、それをより良い形で反映できるようにしっかりと取り組んでもらいたいと思います。

また、児童虐待防止対策についても、来年度の取組様々な説明がありましたが、まだまだそれでは十分ではないということも認識をさせてもらいましたので、しっかり子どもたちを守るためにも、環境整備にしっかりと取り組んでいただくことを要望してこの質問を終わります。

自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠

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