「キャリア教育」の本質とは?未来を切り拓く学びを考える

教育

「キャリア教育」という言葉を知っていますか?

「キャリアを積む」「キャリアステップ」「キャリアウーマン」など、「キャリア」という言葉を含む表現をよく耳にします。
しかし、文部科学省のホームページによると、

〇 人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」であるとされています。
〇 一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育が「キャリア教育」です。

参考:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/index.htm


キャリア教育の重要性とこれまでの取り組み

私は、キャリア教育の充実を重要な取り組みとして訴え、これまで、キャリア教育の一貫した学びを推進するために、以下の取り組みを進めてきました。

POINT◆「キャリアパスポート」の活用:小中高を通じて学びの積み重ねを可視化する仕組み。
◆「県立高校生学習活動コンソーシアム」の拡大・強化:高校生や教員が学校と他機関と連携して学ぶ仕組み。
◆「地元企業と学校のマッチング」:地元企業とのつながりを強化し、実社会と接点を持てる機会の創出。

浮かび上がる課題

こうした活動を通じて、以下のような課題があることが見えてきました。

◆ 学校ごとの温度差キャリア教育の重要性は理解されつつあるものの、学校ごとに取り組み方に差があります。
特に進学校では「高校卒業後に就職する生徒が少ないから」との理由でキャリア教育の優先度が低くなることもあります。(もちろんすべての高校ではなく、前向きに取り組んでいるところもあります)
◆ 学校と企業のつながりの不足、企業と学校のつながりが十分でなく、連携の機会が少ない。企業側と学校側の認識の違いも課題として挙げられます。

キャリア教育は「就職支援」ではない

キャリア教育は単なる「就職準備」ではありません。
「自分の将来を考え、選択肢を広げるための学び」 です。
大学・専門学校・学部選びにもつながり、興味関心を深めることで、現在の学びへの熱意や知識を活かす知恵にもなります。
また、地元企業を知ることで、地元への愛着や誇りを持つきっかけにもなります。

教育現場の負担と地域の協力

キャリア教育の必要性を理解している一方で、学校現場では「業務負担が大きく、十分に注力できない」という声が多くあります。
教育現場は、授業・事務業務・保護者対応に追われる中、働き方改革も求められています。

一方で、地域では「キャリア教育に協力したい」という企業や団体の声が多くあります。

POINT◆「自分たちの会社を知ってほしい」
◆「地域を好きになってほしい」
◆「地元の子どもたちのためにできることをやりたい」

こうした声を受け、私は 「地元信用金庫と連携し、地元企業を紹介する仕組み」 を作ったり、「学校と企業をマッチングする仕組み」を整備してきました。
特に、金沢区の臨海部には1300を超える企業・事業所があります。
これらの企業と学校が連携することで、キャリア教育の新たな可能性を広げることができると考えています。

カリキュラムと評価の課題

現在、キャリア教育は「総合的な学習(探究)の時間」の中で行われています。
しかし、この時間は 主権者教育・金融教育など多くのテーマと共存しているため、十分な時間が確保しづらい状況です。
また、キャリア教育の評価方法は学校ごとに異なり、客観的な評価が難しい という課題もあります。
プログラムの充実だけでなく、カリキュラムの設計や評価方法についても議論・研究が必要だと考えています。

キャリア教育の未来へ

現代社会では、インターネット上に膨大な情報があふれています。
しかし、知識を得るだけではなく、実際に行動し、生の学びを得ることが重要です。

これからの時代を生きる子どもたちにとって必要なのは、

必要なこと◆ 知識を活かす知恵を身につけること
◆ 人とのつながりの中で自分を成長させること
◆ 学校と社会をつなげ、多様な学びの機会を得ること

学校と社会は切り離されたものではなく、互いに連携することで子どもたちが社会とつながる多様な学びを得られる環境を作ることが大切です。

私は、これからも 「キャリア教育の充実」に向けて、現場の声を聞きながら取り組みを進めていきます。

神奈川県議会議員:大村 悠

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