「昔はよかった」で終わらせない

観光

地域の未来をつくるために

成長の記憶と、今を生きる世代として

「高度経済成長期の日本はすごかった」
地域の方々から、こうしたお話を伺う機会がよくあります。実際に、平成の30年間を前後の時代と比較すると、経済成長率や国際的な競争力の面で、日本の停滞が指摘されてきました。海外と比較しても、成長率に違いがあることは事実です。
平成生まれの私にとって、そういったお声に悔しさを感じる場面も少なくありません。
しかし、単に「昔はよかった」と振り返るだけでは、これからの地域の未来はつくれないと思います。今、何が起きているのかを正しく捉え、次の一歩を考えることが重要であると受け止めています。

地域の力とは

では、「なぜ地域の力が弱まっている」ということを考えたことはありますでしょうか。
成長率やGDPといった経済指標だけでなく、産業構造の変化や自給率、治安、地域内の交流の減少など、さまざまな要因が重なっています。
その中でも、最も注目されている大きな課題は人口減少です。若者が都市部へ流出し、地域に残る人材が減少することで、産業の担い手が不足し、地域経済の維持が難しくなっている現状もあります。結果として、まちの活気そのものが失われていくという悪循環に陥っている地域もあります。

消滅可能性自治体が示す現実

こうした状況を象徴する言葉が「消滅可能性自治体」です。これは、将来的に出産世代である20代から30代の若年女性人口が大幅に減少し、人口維持が難しくなる可能性が高い自治体を指します。
最新の分析では、その数は全国で700を超えるとされています。これは一部の地域だけの問題ではなく、日本全体に広がる構造的な課題です。
この現実を直視しなければ、地域の未来を語ることはできません。

関係人口の先にある「地域経済」

人口減少への対応として、「関係人口」を増やすという考え方が広がっています。地域に継続的に関わる人を増やすことで、地域とのつながりをつくる取り組みです。
これは非常に重要な視点です。しかし一方で、関係人口だけでは地域の経済や税収には直結しにくいという課題もあります。
だからこそ私は、関係人口を「目的」とするのではなく、その先にある「消費」や「経済活動」につなげていくことが重要だと考えています。
地域に人が訪れ、消費が生まれ、産業が育ち、雇用が生まれる。そして、そこに住む人が増えていく。この流れをつくることが、地域再生の鍵の一つになります。

観光から生まれる誇りと希望

その実現に向けて、可能性として大きいのが観光の力です。観光は、単に外から人を呼ぶだけでなく、地域の魅力を再発見するきっかけにもなります。
地域の歴史や文化、食や産業を知り、それを魅力として伝えていく。そのためには、まず地元の人が地元を知り、誇りに思うことが大切です。
観光の取り組みを通じて経済効果を生み出し、生活環境を支え、そして地域への誇りや希望を育てていく。
私は、そうした循環を生み出す観光政策を進めていきたいと考えています。
地域の力を取り戻すために必要なのは、過去への回帰ではなく、未来への挑戦です。
経済をつくり、暮らしを支え、誇りを育てる。
その実現に向けて、これからも地域とともに歩んでいきます。

神奈川県議会議員:大村 悠

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