外部の力を活かす学校づくりへ ―新しい学びと業務改善の両立―

教育

キャリア教育の意義と、学校ごとのばらつき

これまでも、こどもたちが社会に出て力を発揮できるようにするための学びや経験として、キャリア教育の推進に取り組んできました。
実際に、地元企業との連携パッケージを実現した高校や、紹介を通じて地元企業とマッチングできた高校もあります。
一方で、なかなか進まない学校もあるのが現実です。
その背景には、入試を優先する意向が強く、キャリア教育のような間接的な学びの優先順位が下がってしまう学校や、日常業務に追われ、新しい取り組みを始める余力がないという実情があります。

学校現場の負担と、こどもの可能性

文部科学省や県教育委員会でも、教員の働き方改革や業務改善に取り組んではいますが、学校には授業以外の業務、保護者対応など、多くの時間や労力がかかる仕事が残っています。もちろん、その状況は理解しています。
しかし、その結果として、こどもたちが「やってみたい」「学びたい」と思った時に、それに応えられないケースがあるのではないかと、強く懸念しています。

外部の力を活かした教育連携の可能性

そうした中で、企業や業界団体などからは、学校教育の中で出前講座を実施したいという声を多くいただいています。
学校が、そうした外部の力をうまく活かしていく視点は、これからの教育には欠かせないものだと考えます。
私はこれまで、県立高校におけるキャリア教育の一環として、企業や団体と学校をつなぐ「県立高校生学習活動コンソーシアム」の充実を訴えてきました。
コンソーシアムに加入していない企業や団体には加入を促し、加入している企業については、学校側への広報強化を県教育委員会に働きかけています。

新しい取組のハードルを下げるために

実際に学校を訪問した際、ある高校から「新しい企業と連携したキャリア教育を実施するには、企画書を作成し、承認を得る必要がある」と伺いました。
これは、キャリア教育において企業開拓だけでも大変な中で、さらに企画立案と説得を伴う作業が重なることで、導入のハードルが高くなってしまっています。
こうした課題を踏まえ、私は、企業・団体が提供する出前講座や体験プログラムについて、あらかじめ企画書をテンプレート化する仕組みの導入を提案しています。
学校側にとっては、どんな学びが得られるのかが一目でわかり、準備や承認プロセスがスムーズになります。
企業や団体にとっても、自分たちの意図が正しく伝わり、学校側からのフィードバックを受けて内容をブラッシュアップしていくことができると考えています。

こどもたちの学びのために、連携の輪を広げる

まだ一部でしか進んでいない取組ですが、学校と企業・団体がそれぞれの状況を理解し、お互いに力を出し合える形で連携を進めていくことが大切です。
そしてその結果が、こどもたちの「社会とつながる学び」の充実につながっていくはずです。
私はこれからも、学校現場と企業・団体の架け橋としての仕組みをさらに強化し、こどもたちの未来をひらく教育の実現に向けて、取り組んでいきます。

神奈川県議会議員:大村悠

子どもたちの可能性を広げる評価と入試制度を

 

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