総合職業技術校を地域の人材拠点へ
人手不足と就労のミスマッチ
「高齢化」「労働力不足」「担い手減少」
こうした言葉を目にする機会が増えています。人口減少と高齢化が進む日本において、人手不足は避けられない課題です。
一方で、「就職につながらない」「就労の継続が難しい」といった声もあります。企業は人を求めているのに、働きたい人が安定して働き続けられない。このミスマッチこそ、いま向き合うべき課題ではないでしょうか。
総合職業技術校という可能性
神奈川県には、東西2校の総合職業技術校があり、「手に職を」をテーマに技術職やIT分野など多様なプログラムを展開しています。新規学卒者や離転職者を対象とした普通職業訓練に加え、在職者向けのスキルアップ訓練も実施しており、県の人材育成を担う存在です。
私自身、これまで議会で議論を重ね、現場を視察し、意見交換をしてきました。設備やカリキュラムは魅力的であり、成長分野への対応も進められています。
しかし一方で、応募者数は十分とは言えず、周知や広報のあり方に課題があると感じています。
人気のコースがある一方で定員割れのコースも存在しており、産業ニーズとの整合性についても検証が必要です。

「就職率」のその先へ
職業技術校の成果を測る指標として、就職率は重要です。しかし、就職させて終わりではありません。大切なのは、1年後、2年後も働き続けられているかという「定着率」であると考えています。
卒業生の実績はどうか。1年後定着率は把握しているのか。卒業後のフォロー体制は十分か。
こうした視点を持つことで、単なる就職支援ではなく、キャリア形成支援へと進化させる必要があります。
企業・地域との連携強化
職業技術校が単独でできることには限界があります。地元企業との連携、実習の充実、企業側の受け入れ体制づくりなど、地域全体で支える仕組みが重要です。
また、DX、観光、一次産業など成長分野との連動も不可欠です。県の産業政策と人材育成政策を結びつけることで、「学び」と「雇用」が循環する構造をつくることができます。

一人ひとりの生業を支えるために
令和8年度当初予算では、普通職業訓練事業費として約8億円が計上されています。税金を投入する以上、募集人数や入学見込、修了生の実績などを丁寧に検証し、より実効性の高い制度、仕組みへと磨き上げていく必要があります。
人材不足の時代だからこそ、「人をどう育て、どう支えるか」が県政の核心です。総合職業技術校を、単なる訓練機関ではなく、一人ひとりの職や生業を支える拠点へ。
引き続き議論を深め、地域と連携しながら、持続可能な人材育成体制の構築に努めていきます。
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神奈川県議会議員:大村悠