令和6年

令和6年第1回定例会予算委員会【キャリア教育】

会議日:令和6年3月15日【 一般質議 】答弁要旨
令和6年予算委員会
「キャリア教育について」

キャリア教育記事内画像2

大村悠

自由民主党の大村でございます。私からは、まずキャリア教育についてお伺いします。

キャリア教育につきましては、これまでも本会議で何度も取り上げ、キャリアパスポートの活用促進、地域性を生かしたキャリア教育、学習活動コンソーシアムの活性化などを議論し、教育長からも度々答弁をいただいてきました。

私の地元の金沢区には県立高校としてクリエイティブスクールの釜利谷高校、総合学科の金沢総合高校があり、実際に学校を訪問し、現場の先生方と日々意見交換をしているとともに、金沢区の産業団地には1,300を超える事業者が並んでおり、事業者目線でのキャリア教育の意見交換もさせていただいております。子供たちの未来のためには、学校、地域、事業者が協力して地域ぐるみの教育を展開することが重要と考えております。

そこで、県が取り組んでいる県立高校生学習コンソーシアムや専門学科のデュアルシステムの取組など伺ってまいります。

まず、県立高校には、コンソーシアムの形成やインターンシップのサポートをしているコンソーシアムサポーターが配置されていると承知をしていますが、令和6年度の予算額をお伺いします。

渡貫高校教育課長

令和6年度の予算では、コンソーシアムサポーターの報酬や旅費として2,700余万円を計上しています。

大村悠

その中で何名のコンソーシアムサポーターを配置する予定なのか伺います。

渡貫高校教育課長

県内10地区に1名ずつ、計10名を配置する予定です。

大村悠

10地区に1人ずつで10名ということで御答弁いただきましたけれども、このコンソーシアムサポーター、どのような人材を配置しているのかお伺いします。

渡貫高校教育課長

学校教育に理解があり、大学や企業等と学校とのパイプ役にふさわしい人材を配置するということとしております。

大村悠

このコンソーシアムサポーターは単年度の契約と承知をしているんですけれども、その中で、これまでサポーターの入替えや変更など、直近であったらお伺いします。

渡貫高校教育課長

コンソーシアムサポーターは、配置校の学校のほうで会計年度任用職員として任用しております。ですので、その学校の状況によってお続けになれない方がいらっしゃった場合には交代するというようなこともあり得ます。

大村悠

このコンソーシアムサポーターは、事業者とのパイプだとか、そういった信頼関係にも関わってくることなので、しっかりと配置する人材については県教育委員会としてもしっかりとサポートしてもらいたいと思います。

次に、この間、コンソーシアムサポーターの支援により実施されたインターンシップについて、受け入れてくださった事業所数と体験生徒数はどのくらいなのかお伺いします。

渡貫高校教育課長

直近の3年間についてお答えします。

今年度は817事業所で2,232人、令和4年度は733事業所で2,052人、令和3年度は556事業所で1,622人の生徒が体験しました。

大村悠

徐々に増えているというのも、コロナ禍があったのでそういった外部との連携ができないという中でのこういった増加傾向だと思います。ただいまの御答弁はコンソーシアムサポーターを利用しての実績で、中には、学校と企業とが直接連携をしてやっている実績もあると思うんですけれども、コンソーシアムサポーターを介さず実施している実績等を把握していたらお伺いしたいと思います。

渡貫高校教育課長

令和4年度の実績になりますが、国の調査によりますと、県立高校生でインターンシップを体験した生徒数が3,183人、コンソーシアムサポーターが支援した体験生徒数が2,052人でしたので、サポーターを活用せずに実施した生徒は1,131人と把握しております。

大村悠

コンソーシアムサポーターを介したもので3分の2ぐらいということで、実際に力を発揮していただいているということは数字上でも確認ができました。次に、コンソーシアムサポーターは担当する地域の地元企業が県立高校との連携を希望する場合の調整もされているのかお伺いしたいと思います。

渡貫高校教育課長

地元企業等から連携の相談をいただいた場合にも、コンソーシアムサポーターが対応して調整を行ってまいります。

大村悠

このコンソーシアムサポーターというのは、今こうして議論させてもらっているから理解をしているんですけれども、企業の皆様にとってはサポーターの存在も知らないですし、インターンシップ、どういった形でできるかということもなかなか理解していないと思います。そういった中で、企業の方が学校に協力したいだとか、インターンシップに来てほしいとなった場合はどのような手続で進めるのか、また窓口等もあったらお伺いしたいと思います。

渡貫高校教育課長

地域の県立高校と連携を希望する場合にはその地域のコンソーシアムサポーターが調整しますが、県教育委員会にお問合せをいただければ、地域のサポーター配置校を御案内することができます。

大村悠

教育委員会に相談を、という答弁でしたが、企業の方々も教育委員会に電話するというのもなかなかハードルが高いと思います。仮に学校に直接連絡した場合もそういった対応をしてもらえるという認識でよろしいでしょうか。

渡貫高校教育課長

学校に直接お電話をいただいた場合にも、コンソーシアムサポーターの配置校であればサポーターのほうにつなげることになりますし、配置校でなくて、分からない場合にも教育委員会のほうで支援をしておつなぎするようにいたします。

大村悠

実際に地元を回ってみて、本当に地元の高校生、子供たちのためになりたいという企業さんもたくさんいらっしゃいます。そうした中で、何ができるか分からないという方々もたくさんいらっしゃいますので、そういった問合せが来たときには丁寧に対応いただいて、子供たちのために還元されるように丁寧に対応を進めてもらいたいと思います。

次に、9月の一般質問でも取り上げさせていただきました県立高校生学習活動コンソーシアムには100を超える団体や機関が参加していると承知をしています。このコンソーシアムの取組の推進に向けてどのような工夫をしているのかお伺いしたいと思います。

廣幡高校教育企画担当課長

コンソーシアムの取組をより一層推進するため、今年度は7月に意見交換会を開催いたしました。その中では県立高校と参加団体が11のグループに分かれ、シチズンシップや共生社会、SDGsなど具体的なテーマについて話し合い、生徒の主体的な学びにつながる効果的な取組を協議する工夫を図りました。

大村悠

なかなか企業と学校とがそういった意見交換をする場がなかったので、こういった取組をしたということは今確認をさせてもらいました。このコンソーシアムの参加団体、100を超えるということで今お話しさせてもらいましたけれども、直近の増加の実績等を把握していたらお伺いしたいと思います。

廣幡高校教育企画担当課長

今年度、6団体が新規加入で、令和6年2月現在111団体でございます。

大村悠

前回の本会議でも事業者と学校のミスマッチを解消するためにそういった場をつくっていくということで、先ほどの答弁につながったと思います。もう一点、周知に関することで、ホームページをリニューアルするということでお話をいただいたということを承知しているんですけれども、ホームページを拝見すると、企業、団体等の準備中、調整中が大変多い印象なんですけれども、この辺はどのように進めているのかお伺いしたいと思います。

廣幡高校教育企画担当課長

今年度実施しました意見交換会での協議を踏まえて、学校に分かりやすくするため、参加団体が提供できるプログラムを刷新しております。

こうした学校等の参加団体がマッチングしやすい環境を整えていくことや、コンソーシアムの活用事例をホームページに掲載することなどを通じて、来年度はより多くの学校のコンソーシアム活用につなげてまいりたいと考えております。

大村悠

来年度の取組ということで今御答弁いただきました。周知に関しましては度々要望をしていますけれども、コンソーシアムがキャリア教育につながるという、事業者の方々にとってはつながらない、そこのハードルがあって、なかなか認識が難しい部分も実際に回ってみて感じているところでございます。

そういった中で、周知は特に強力に進めてもらいたいと思います。その周知という観点で、これまでコンソーシアム通信というものをNo.4まで発行していると承知していますが、この通信についてはどのように活用しているのかお伺いしたいと思います。

廣幡高校教育企画担当課長

コンソーシアム通信につきましては各学校にも配信するなど、また企業のほうにも周知するなど対応して考えております。

大村悠

このコンソーシアム通信、見ると分かりやすいものなんですけれども、平成30年で発行が止まっているということもございますので、改めてこのコンソーシアムの重要性を発信していくためにも、事業者等の連携、周知に取り組んでもらうことを要望させてもらいたいと思います。

次に、専門学科で実施している長期間の企業における実習、いわゆるデュアルシステムについてお伺いをしたいんですけれども、令和6年度の予算はどのぐらいなのかお伺いします。

渡貫高校教育課長

令和6年度予算では、かながわデュアルシステム推進センターの運営業務委託の経費として260余万円を計上しています。

大村悠

予算額について確認させてもらいました。このかながわデュアルシステム推進センターということで取り組んでいくと承知していますけれども、どのような業務をしているのかお伺いします。

渡貫高校教育課長

かながわデュアルシステム推進センターでは、4人のコーディネーターが実習プログラムの作成、実施や実習先企業の開拓、調整、実習中の巡回などを行うことで、専門学科で学ぶ生徒のデュアルシステムの環境を整えています。

大村悠

その中で、このかながわデュアルシステム推進センター、令和5年度も取り組んでいると承知をしていますけれども、その成果と課題についてお伺いしたいと思います。

渡貫高校教育課長

令和5年度の実績ですが、10事業所で県立高校6校の51名の生徒がデュアルシステムを実施しました。

また、課題ですが、センターが確保した実習の受入先がまだ少ないことが挙げられます。

成果と課題について御答弁をいただきました。まだ数が少ないということで課題感も今御答弁いただきましたけれども、そういったことを踏まえて、来年度どのように取り組んでいくのかお伺いします。

渡貫高校教育課長

次年度は、コーディネーター、各校の代表者、専門高校を支援する企業等で構成される団体の代表者を交えたデュアルシステム推進協議会を立ち上げて、デュアルシステムの受入先企業の確保、生徒のニーズの把握、活動の周知等を検討、協議することで、さらなる推進に向けて取り組んでまいります。

大村悠

この企業の拡大につきましては、先ほどコンソーシアムもそうですけれども、やはり県としての課題だと認識をしました。

そういった中で、デュアルシステム推進センターが中心となって開拓をしていくということなんですけれども、やはりそういったコンソーシアムもそうだし、県教育委員会のネットワークを活用して、こういった企業の拡大についてはしっかりと取り組んでいただくことを要望したいと思います。
このキャリア教育につきましては、子供たちの学びの選択肢を増やすだけではなく、事業者にとっても自社を知ってもらったり、人材確保につながるかもしれないということでメリットもあると考えています。

そういった中で産業労働局にお伺いをしたいんですけれども、キャリア教育について、県の総合職業技術校と連携した取組、制度を承知していますけれども、その取組の目的をまず確認をさせてもらいたいと思います。

田巻産業人材課長

県内の中小企業での労働力不足は大きな課題であり、特にものづくり分野では就業者に占める若年層の割合が減少しており、将来を担う若い世代にものづくり分野などの魅力を伝えていくことは重要です。
そこで、若者が将来の社会的な自立に必要となる職業観や勤労観を養うことを目的として、東西2校の総合職業技術校で高校等からの要請に基づき生徒を受け入れ、実際にものづくりを体験してもらうなど、キャリア教育の支援をしています。

なお、令和4年度は1,683名の参加がありました。

大村悠

この総合職業技術校につきましては、前に現地に視察をさせていただいたことがございまして、意見交換をした際に、社会の情勢だとか企業、業界の流れを酌んでプログラムだったりコースを随時変更しているということでお話をいただきましたけれども、こういった技術校のコースやプログラムというものはどのように設定されているのかということと、事業者のニーズ等をどのように聞いているのかお伺いしたいと思います。

田巻産業人材課長

総合職業技術校の訓練コースにつきましては、コースの設定、見直し等、企業のニーズを把握するため、関連職種の企業に対するヒアリング調査やアンケートを実施しております。訓練内容や使用する機材について個別の企業にヒアリング調査をすることでニーズを聞き取り、見直し、改善を進めています。

大村悠

この総合職業技術校等のキャリア教育の支援状況を産業労働局として求人企業等に伝えていくことも重要と考えていますけれども、どのように取り組んでいるかお伺いしたいと思います。

田巻産業人材課長

総合職業技術校では、訓練生の就労支援のため、地域の求人企業を対象とした就職説明会等のイベントを年に複数回実施しており、その中でキャリア教育の取組状況を説明する機会を設けています。

引き続き、このような機会を通じて求人企業等に総合職業技術校におけるキャリア教育の取組状況を伝えてまいります。

大村悠

先ほどのコンソーシアムもそうですけれども事業者にキャリア教育に参加してもらうことは、事業者にとっても有益なことだと考えております。キャリア教育を通じた企業の魅力発信等も有効と考えますので、産業労働局側からも周知啓発についてはやっていただくことを要望したいと思います。

最後になりますけれども、今後キャリア教育の推進に向けてどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いします。

花田教育長

キャリア教育の充実に向けては、まずその取組の意義を広く周知していくこと、それから実践的・体験的な学びの機会を設けること、これが何よりも重要だと考えています。

そこで、課長が答弁しましたが、コンソーシアムサポーターであるとか、かながわデュアルシステム推進センター、これを活用して、地元企業や大学と学校をつなぐ、それから生徒の成果発表の機会、こういったものを企業等にしっかりと周知していく。こういったことで引き続き工夫をしながら、実践的なキャリア教育の推進に向けて、特に協力いただける企業の拡大という、こういったことを十分意識しながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

大村悠

ぜひとも強力に進めていただくことを要望したいと思います。

子供たちが未来を切り開いていくためには、キャリア教育など社会につながる学び、重要だと考えております。それは、就職する生徒だけではなくて、進学を考えている生徒にとっても大学進学、また学部でどういったことを学ぶのか、そういったことを考えるためにも重要だと考えております。

県の取組について伺ってきましたけれども、学校の現場で聞いてみると、キャリア教育を担当している先生方は、企業とのつながりをなかなか開拓できない、また業務に追われ、キャリア教育のプログラムを考えるまで間に合っていない、そういった声も聞いています。

一方、地元企業からは、地元の子供たちのためになりたい、自分の会社のことを知ってもらいたいけれども何ができるのか、どういった手続をすればいいのか分からないという声もいただいています。

そういった状況の中で、ぜひとも教育委員会だけでなく、事業者に近い産業労働局も一緒になって、子供たちの未来、神奈川の未来のために取り組んでいくことを要望して、この質問を終わります。

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