令和5年

令和5年第3回定例会【環境農政常任委員会】(畜産技術職員の人材確保)

会議日:令和5年12月13日【 一般質問 】答弁要旨
環境農政常任委員会

畜産技術職員の人材確保

大村悠

自民党の大村でございます。よろしくお願いします。

私からはまず、畜産技術職員の人材確保についてお伺いしたいと思います。
畜産関係団体から我が党に対して、畜産を専門とする畜産職の職員を安定的に確保して、普及指導員の持つ知識や技術が継承されるよう安定的に人材を確保することを内容とする要望が寄せられています。
県内の畜産農家の安定した経営を進めていくためにも、経営、技術の側面から畜産農家を支える技術系職員をしっかりと確保することが重要だと考えております。
そこで、畜産の技術系職員の人材確保について何点かお伺いします。
まず、神奈川県の畜産施策を実施するには、畜産関係の専門的な知識、技術を有する技術系職員が不可欠だと考えていますけれども、県ではどのような職種が配置されてそのような業務をしているか、お伺いしたいと思います。

畜産課長

本県では、まず採用区分で申し上げますと、農政技術の畜産、これがいわゆる畜産職、それと、免許資格職の獣医職の二つの職種が畜産業関連分野における技術職員として配置をされています。
業務は、畜産関係の技術職として、家畜の飼養技術、家畜の改良、畜産農家の経営診断や担い手支援といった畜産振興、臭気、畜舎対策等の畜産環境、豚熱や鳥インフルエンザなどの家畜衛生、これに取り組んでいるところでございます。
このうち、実際に動物の診断を行う家畜衛生の現場におきましては獣医師免許が必要となりますので、獣医職のみの配置となっています。

大村悠

現在、畜産関係団体から畜産職の職員を安定的に確保することということの要望をいただいていますけれども、畜産職と獣医職の職員数、そして採用の状況についてもお伺いしたいと思います。

畜産課長

現在、畜産関係所属等で配置されている正規職員ということで申し上げますと、獣医職で70名、畜産職で16名となってございます。採用につきましては、畜産職は平成9年を最後に採用を行っておりません。
一方で獣医職は、畜産職分を含め、これまで定年退職等で生じた欠員を補充するための採用を継続的に実施しているところでございます。

大村悠

今の御答弁でもございましたが、畜産職につきましては平成9年を最後に採用していないということなんですけれども、人数の割合から見ても、やはり畜産職の人数が獣医職に比べて少ないと感じます。
そういう中で、畜産職が担ってきた業務というのはどのように対応してきたのかお伺いしたいと思います。

畜産課長

まず、環境としまして、獣医師の確保が全国的に困難な自治体も非常に多い中、本県は状況的に獣医師を養成する大学が2校あるという有利性もありまして、獣医師につきましては採用予定数を超える応募数があるため、まず獣医師職員数の確保を積極的に行っています。それによりまして、従来、畜産職が当たっていた業務についても獣医職を配置して業務を行っているところです。

大村悠

全国的に見てなかなか採用をしづらい獣医師が、県内は大学2校ということで、そういった中で人材しっかりと確保できているということは今確認してまいりましたが、畜産職は平成9年から採っていない状況です。
こちらにつきましても獣医師の職員さんが対応しているということなんですけれども、そのバランスを見たときに、やはりそういった経営や専門的に学んできた人材を県の施策としてしっかりと継承していくためにも、そういった採用についても今後検討してもらいたいということは要望させてもらいたいと思います。

次に、畜産の普及指導員についてお伺いしたいと思います。

畜産団体からの要望では、畜産職を確保し、普及指導員を育成すること、知識の継承が必要であるとのことです。

この普及指導員とはどういった業務をしているのかお伺いしたいと思います。

畜産課長

普及指導員は、農業改良助長法に基づき、都道府県において普及事業を実施するために設置するもので、普及指導員を任用するには、国が実施する普及指導員試験に合格した者とされております。
この試験では、受験時に選択科目がございまして、そのうち畜産を選択した場合に、これがいわゆる畜産の普及指導員ということで称してございます。
本県では、畜産職及び一部の獣医職の職員が資格を有して、普及指導員として職務に就いています。普及指導員の主な業務としましては、研究機関、市町村、農業団体、教育担当と綿密な連携を保ち、専門の事項または普及指導活動の技術及び方法について調査研究を行うこと。
また、巡回指導、相談、講習会の開催等により、直接農業者に対して農業生産方式の合理化と、その他経営の改善、農村生活の改善に関する科学的技術及び知識の普及指導を行うこととなってございます。

大村悠

この畜産に関わる人材の確保だとか、また業務内容について今もろもろ確認をさせてもらいましたけれども、やはり県内の畜産施策を適切に、また協力的に執行していくためには、そういった人材確保ということは今後ともしっかりと未来を見据えて検討していく必要があると考えております。
そういった中で、普及指導員だけではなくて、本県の畜産施策を実施する立場から、畜産職、獣医職の畜産技術の確保についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

畜産課長

近年、鳥インフルエンザや豚熱などの特定家畜伝染病に対する対策というのが急務になっている中、引き続き獣医職の定年退職等を見込んだ計画的な採用は、これは必須であると考えていますが、これが、先ほども申し上げましたが、全国的な状況から見ても、本県でも採用困難になるということも想定ができます。
また、畜産職につきましては、従来畜産職が担っていた業務を獣医職が担うようになってきておるということではありますが、職種として獣医職のみになると、施策上多角な視点が失われている、そういうことに非常に懸念を持っているところでございました。
こうしたことから、畜産職の採用再開につきましては、本県の獣医師採用試験の応募状況、あるいは国を含めた他自治体の状況をよく注視しながら、時期を捉えて庁内での調整を進めていきたいと、そのように考えてございます。

大村悠

状況、また今の県の考え方については説明いただきましたので、本当に未来を見据えて人材確保ということはしっかりと検討してもらいたいと思います。

神倉寛明委員

今いろいろお話聞いていましたけれども、今まで畜産職を担っていたものが獣医の方がやっているというふうな御答弁だと思うんですけれども、先ほどの話だと、畜産職の部分も含めて採用しているとか、畜産職の業務を担っているということなんだけれども、畜産職の専門的、これは多分農業大学とかで専門的に習ったものをフィードバックするために採用されていると思うんですよね。
これ平成9年以降いないということは、その専門的な知識が生かされていないという部分が今課題になっているんですけれども、その辺については、幾ら獣医の方を採用しているからと、カバーしているという部分では対応はできなくなってくると思うんですけれども、今の最後の答弁聞いていると、注視して調整していくというと曖昧なんですよ。
今後方向としては、どういった方向でこの畜産職の方を採用するのか、長期的なスパンで対応していくというのを明確に話をしないと、いつまでたっても注視しているとか調整していくとか、県としての考え方が答弁としてないんですよ。ちょっとその辺を担当課長でも部長さんでも教えていただいていいかな。

畜産課長

先ほど答弁の中で、畜産の普及指導員につきましては畜産職の職員と一部の獣医職員がやるということでお答えをしたところです。
今、畜産の普及指導員の部分につきましては、畜産職と獣医職とほぼ半数というような状況です。
しかし、平成9年以降採用していないというところで、現在畜産職の人数というのはただ減っていくだけ。
あと10年もすればいわゆる60歳に到達する者がほとんどであるということですが、現在のところはその畜産職が持っているノウハウを獣医職に伝えるということで、その体制は今のところ保たれている。
ただ、それは減っていくと、本当にいなくなってしまうと、非常にその多角的視点というのが継続性というところでも懸念をしていますので、そういったことにはならないように努めていきたい、そのように考えています。

神倉寛明委員

いや、考えているのはいいんですけれども、そうすると今後採用を含めた中で方向性を示していかないと、今獣医職が先ほどの答弁だと70名、畜産職は16名ということだよね。今答弁あったとおりどんどん減っていると考えたときに、バランスが取れなくなる。
大学などで畜産学を専門に勉強している方がどんどん減っていってしまうんだよね。
そう考えると、これから来年は難しいにして、今後そういった採用を含めた中で検討していくということをお話しをいただかないといけないんじゃないのかなと思うので、その辺はどうですか。

畜産課長

畜産職が持っている技能をしっかり確保するためにやるのは、非常に人事の問題もありまして、現課としましては、これまでもそうでしたが、引き続き人事当局に対しましてお願いはしている。
要望はしている。そういうことは姿勢としては持っているところなんですけれども、答弁は以上です。

神倉寛明委員

担当部長でも局長でもいいんだけれども、今の御答弁では、環境農政局としてはそういった畜産職の職員を採用したいという。
財政当局にお願いするということであれば、しっかりこれをお願いされているのか。
もしお願いしていないんだったらお願いしなきゃいけないし、その辺の見解を確認させてください。

管理担当課長

現在、畜産職の採用再開につきましては、委員おっしゃるとおり、必要性も踏まえまして、人事課には今希望しているところでございます。
ただ今後、現在、令和3年度の本県の豚熱の発生や鳥インフルの蔓延状況を踏まえますと、やはりこうした防疫措置をしっかりと取る獣医職をまずは確保しなければならない中にあって、ただ一方で、やはり畜産職による多角的な視点ということも不可欠かと思っておりますので、人事当局とは今後も議論を継続し、そうする中で検討してまいりたいと考えております。

神倉寛明委員

恐らく担当局としてのそういった財政に対しての本当に必要なんだということも伝え切れていない可能性もあると思うんですよね。畜産職が重要であったり、今の現状バランスが取れていない、今後考えたときに。そういったことを踏まえた中で重要で、また我が党に対しても様々な要望が来ている中で、やはり様々な課題に対応するために畜産職のみだけではなくてバランスを取った中で対応していくんだというのは重要だと思いますよ。今後しっかり対応いただきたいと思いますので、局長いいですか。

環境農政局長兼脱炭素戦略担当局長

今、畜産課長、それから山本管理担当課長から御答弁申し上げたのでございますけれども、やはり採用の問題というのは、なかなか我々の思いだけでどうなるといったような問題でもございませんので、我々のその必要性であるとか、あるいは思いといったものにつきましてはしっかりと人事当局にも伝えていきながら、バランスというお話ございましたけれども、獣医職でなければできない仕事というのが、やはり免許がなければできない仕事というのも当然ございますので、そうしたところとの少なくともバランス、獣医職というのの確保というのは今後、先ほど山本管理担当課長から答弁したように、鳥インフルだったり豚熱といった家畜感染症の防疫についてもしっかり対応していかなきゃいけないという中にあって、畜産職というのを確保できるのかどうなのか。
全体の県の人事当局としての数的な問題というのもございますと思いますので、その辺はしっかりと人事当局とも意見交換しながら今後とも検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

神倉寛明委員

平成9年以降採用されてないということは、現状でもアンバランスな状態だということを認識した中で、本当に環境農政局として、畜産課、この技術職員が必要だと思ったんだったらしっかり対応してもらいたいし、要望等々を聞くと、そういった方々の状況を踏まえた中で我々も質問しているので、その辺を留意して対応していただきたいと思います。

大村悠

それでは、要望を申し上げます。
獣医職については、伝染病の予防や発生時の防疫対応をするために、引き続き計画的な採用は必要であることは理解をします。また、県内の畜産農家が安定的に経営をし、質の高い畜産物を県民に共有するためには畜産農家に対する普及活動が不可欠であり、知識や技術の継承、そのためにも農業系の大学等で畜産学や経営学を専門的に学んできた畜産職の知識、ノウハウを生かしていくことが重要なことだと考えております。
今後、未来に向けて県の畜産施策を進めていく中で、しっかりと県の事業を継承していくためにも、畜産職の採用再開を考慮しながら採用のバランスについて検討するとともに、研修などの教育体制についても検討していくことを要望いたします。

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