令和5年

令和5年第3回定例会【環境農政常任委員会】(地球温暖化対策計画の改定素案)

会議日:令和5年9月27日【 環境農政常任委員会 】答弁要旨

地球温暖化対策計画の改定素案(脱炭素企画)

大村悠

次に、神奈川県地球温暖化対策計画の改定素案についてお伺いをしたいと思います。

まず、計画では中期目標として2030年度までに県内の温室効果ガスの排出量を2013年度比で50%削減という目標を掲げていますけれども、直近の排出量、どのような状況なのかお伺いしたいと思います。

脱炭素企画担当課長

推計が出ております直近2020年度の温室効果ガスの速報値でございますけれども、排出量は5,971万トンとなっておりまして、前年度からは5.9%の減少、また、中期目標の基準年であります2013年度からは19.3%減少となっております。

大村悠

2013年度から19.3%の減ということで、この50%削減という目標は極めて高いものだと感じますけれども、この2030年までの中期目標達成に向けて、何が課題と認識しているのかお伺いをしたいと思います。

脱炭素企画担当課長

温室効果ガスの50%削減は県の取組だけで達成できるものではないと考えておりまして、県民や事業者など、あらゆる主体が脱炭素を自分事として捉え、積極的に脱炭素に取り組んでいただく必要があると考えております。
しかし、現状では気候変動リスクですとか脱炭素に対する意識が十分に浸透している状況とは言えない状況となっております。
例えば、県内事業者数の約99%を占める中小企業は、脱炭素の重要な担い手として期待される一方で、ノウハウですとか人材の不足、投資、運営コスト増への対応が困難と考える企業が多いというのが実態でございます。
また、国民の約9割が「脱炭素」という言葉を知っているものの、何をしたらよいか分からず、具体的な行動に結びついていない方が多いというのも実情でございます。
こうしたことから、県民や事業者の皆様の脱炭素に対する意識醸成、取組の底上げが直面する課題だというふうに認識をしております。

大村悠

今、課題について御答弁いただきました。
今回、改定するということなんですけれども、この改定後の計画ではどのような道筋を考えているのかお伺いしたいと思います。

脱炭素企画担当課長

今回の改定素案では、産業、業務、家庭、運輸などの部門別削減目標を新たに設定した上で、部門ごとに取り組む方向性を整理いたしました。計画の改定後は、部門別の温室効果ガス排出量を推計した上で削減が進んでいない部門については、改めて効果的な施策を検討し、実施することで削減目標の達成を目指していきたいというふうに考えてございます。

大村悠

計画の実効性を高めるためとか、あと、計画の改定について今考え方は理解するんですけれども、先ほど御答弁いただいた、99%占めている中小企業に何らかそういったノウハや自分事化が進んでいない中で、やはりこの県の考え方や計画、取り組めることだとか、そういったことをしっかり中小企業の皆様にもより知ってもらうことが重要だと思うんですが、周知・広報についてはどのようなことを考えているのかお伺いしたいと思います。

脱炭素企画担当課長

計画の目標の周知ということでございますが、今後、県のこれを改定が終わった段階で、県のホームページですとか、あと、また脱炭素ポータルサイトというものを本県で所管しておりますので、そういったところを周知することと、各種イベントなどでもこういった計画についてパンフレットなども作りまして配るなどして周知を進めていきたいというふうに考えてございます。

大村悠

ぜひとも、できることはしっかりと検討してもらいたいと思います。
よく、中小企業の周知・広報についても、資料を送付しますだとか、あと、ホームページを活用してという答弁をよくいただくんですけれども、やはり中小企業の皆様は、会社に資料がどかっと届いても、全部見ている時間もなかなかないという中で、「県が伝えたいことは分かるんだけれども、なかなかちょっと難しいんだよ」という現場の声も聞いています。
そういった中で、これをやればしっかり伝わるというわけではないんですけれども、県だけの取組ではなかなか難しいこの目標達成に向けては、様々の関係機関と連携したり、手段を活用していく中で広報していかなければならないと思いますので、様々な検討をこれからも要望していきたいと思います。
今回報告されている改定素案なんですけれども、前回の改定骨子案とどのようなプロセスを踏んで作成されたのかお伺いしたいと思います。

脱炭素企画担当課長

前回6月に改定骨子案について当常任委員会に御報告をさせていただいた後、具体的な取組例の追加ですとか軽減案の設定等について改めて庁内の所管課等と調整を行いまして、改定素案を取りまとめました。
その後、8月9日に神奈川県環境審議会の環境基本計画部会、それと、かながわスマートエネルギー計画検討会で審議、御検討いただいた後、8月29日の神奈川県環境審議会で御審議いただきました。
さらに9月6日には、素案の部局横断的な組織であります脱炭素戦略本部を開催しまして、全庁的なオーソライズを図った上で今回、当常任委員会に改定素案として報告させていただいているものでございます。

大村悠

御答弁で環境審議会や検討会などを経てということだったんですけれども、その委員からはどのような意見があったのかということと、それを踏まえて改定素案に反映したものをお伺いしたいと思います。

脱炭素企画担当課長

今回、環境審議会やスマートエネルギー計画検討会の委員からいただいた御意見でございますけれども、例えば、脱炭素に関しては、技術の進歩が目覚ましいので、計画を推進する際の進行管理に当たっては、技術の進歩も踏まえた対応が必要といった御意見とか、ほかには、水素社会の実現に向けた取組に関するKPI、これにつきましては、環境審議会部会の段階では、新車乗用車に占める電動車の割合としていたところなんですが、部会の委員から、電動車の割合にすると、EⅤの導入だけが進んだ場合でも水素のKPI、これが達成してしまうように見えてしまうと。
そういった御意見をいただきましたところでございます。こうした御意見につきましては、改定素案の中に反映させているところなんですけれども、水素に関するKPIにつきましては、今回の素案の段階では、神奈川の水素社会実現ロードマップ改定の検討状況を踏まえて設定するとこととしております。

大村悠

今後も、技術進歩も踏まえてということなんですけれども、柔軟に対応していただくことを要望します。

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