令和5年

令和5年第3回定例会【環境農政常任委員会】(林道改良事業費と林道の維持費)

会議日:令和5年12月8日【 一般質問 】答弁要旨
環境農政常任委員会

林道改良事業費と林道の維持費

大村悠

令和5年度一般会計11月補正予算の債務負担行為について、何点かをお伺いしたいと思います。

先ほども御報告いただきましたけれども、林道改良事業費、また林道の維持費について、その概要をまず確認したいと思います。

森林再生課長

まず、林道改良事業費でございますが、相模原市緑区澤井地内にある県営栃谷坂沢林道の傷んだ舗装を再舗装する であります。舗装面の下層の砂利が降雨等により流出したことにより、舗装した路面の沈下が生じておりまして、林道を適切に維持し、安全な通行を確保するために、ゼロ県債を活用して、早期に対策を実施することが必要と考えています。また、林道維持費についてでございますが、山北町世附地内にある県営世附林道の橋梁の塗装面を再塗装するものでございます。塗装面にはさびや剝離が生じており、さらに進行すると、橋梁の構造の適切な維持に支障を来す懸念があることから、橋梁の安全性を維持し、安全な通行を確保するために、ゼロ県債を活用して、早期に対策を実施することが必要と考えています。

大村悠

今回の補正予算からちょっとそれますが、先ほどの相模原市緑区などでは、令和元年の台風19号とか15号で大変な被害を被ったと思うんですけれども、そういった被害のところの工事状況というのは、ある程度完了しているという認識でよろしいんでしょうか。

森林再生課長

令和元年、それから令和3年災、非常に大きな災害でございまして、これに係る緊急的な国の制度等を利用した災害復旧事業は、おおむね完了しております。
ただ一方で、林道のさらに奥地ですとか、当初は いただていなかったところにつきまして、まだ災害の後といいましょうか、その後の降雨等によって、いろんなところで通行が困難になっているところも依然としてございますので、これらにつきましては引き続き、県の林道関係の事業を使って、通常の工事の中で引き続き工事を進めていきたいというふうに考えております。

大村悠

そういった場所の選定についても、生活に利用されている道など、状況に応じて、県として、これからも引き続き着実に進めてもらいたいと思います。

次にですけれども、水源林整備事業費について、債務負担行為の設定が提案されていますけれども、どういった内容なのかお伺いしたいと思います。

水源環境保全課長

水源林整備事業につきましては、森林の持つ水源涵養機能の維持・増進を目的としまして、間伐や土壌保全対策等の水源林の整備や整備のための調査委託を行うものでございます。
今回のゼロ県債でございますけれども、特別会計のほうにもございまして、こちらも含めますと、水源林の整備を19か所及び整備のための調査委託を4か所計画しておりまして、整備事業と調査委託事業の合計で3億600余万円の事業規模で、債務負担行為のゲンガクを設定しているところでございます。

大村悠

こちらの事業費つきましても、林道に並んで額が大変大きくなっているんですけれども、債務負担行為の設定の対象をどのように選定したのか、お伺いしたいと思います。

水源環境保全課長

今回の事業につきましては、事業規模が大きく工期がかかる場所、また、下草がないことなどから土壌の流出などが見られて、なるべく早期に整備を行う必要がある箇所などを優先して選定しております。
また、工事を受注する林業事業体などにも配慮いたしまして、実施箇所は水源エリア全域に、できる限り均等になるよう選定しているところでございます。

大村悠

これらにつきましては、ゼロ県債で設定されているということで、その目的としては、やはりスケジュール感や、早期工事に向けたということだと思いますので、様々事業費計上されていますけれども、設備工事が完了するように進めていただくことを要望させていただきたいと思います。
次に、令和5年度水源環境保全再生事業会計の11月補正予算債務負担行為についてお伺いしたいと思います。
計上されています丹沢・大山保全再生対策事業費の概要についてお伺いしたいと思います。

自然環境保全課長

ブナ林の再生事業を継続して実施している箇所がございます。こういった場所で、跡継ぎとなる樹木の成長や植生回復の状況をモニタリングする事業、調査を行います。
また、ブナ林を衰退させる要因の一つとなっているブナハバチという昆虫がございます。これについて、ブナの食害状況と、それから、食害を受けて衰退状況がどうなっているかという調査、また、ブナハバチを捕獲する調査を行ってブナハバチ自体の発生状況をモニタリングする、こういった内容でございます。

大村悠

今御答弁いただきましたモニタリング調査ということで、こちらについてもゼロ県債で設定されていると承知をしています。
ゼロ県債というと、やはり工事、期間を適切に取るために前倒ししてというのが私の認識だったんですけれども、この調査が今回、ゼロ県債として設定されている理由をお伺いしたいと思います。

自然環境保全課長

今申し上げたブナハバチというのは、4月下旬に成虫が活動し始めて、6月には幼虫が葉を食べるという形で、ブナに影響を及ぼし始めます。また、水源林整備の生態系の効果把握、こういったことも影響を及ぼし始めます。
また、植生回復状況のモニタリング調査ですが、標高1,200メートルの非常に高い標高の場所での実施となることや受注者が限定されるといったこともあって、発注時期が遅くなると、入札不調のリスクが高まります。
このように、ゼロ県債を設定して早期発注することでリスク軽減ですとか、また、調査そのものをうまく時期をマッチさせて実施するなど、そういった形で、受注者が余裕を持って事業を実施できるといったことが考えられますので、こういった面でゼロ県債を活用しているものでございます。

大村悠

自然環境の中で、季節性ということでゼロ県債を設定したということで、今、理解しました。
やはり環境農政局としても、今回はブナハバチの事案は、様々自然と対峙する中で、そういった事例が今後、別の面でも出てくることも考えられるんですけれども、そういった中で、丹沢・大山の保全・再生対策事業費等で、こういったゼロ県債を今後どのように活用していこうと考えているか、お伺いしたいと思います。

自然環境保全課長

先ほどお尋ねいただいたブナハバチですとか植生回復のモニタリング調査、これは、引き続き円滑な調査の実施を図るために、ゼロ県債を活用していきたいと考えております。
また、そのほか、昆虫や動物など季節による生息状況を把握する必要がある、そういったモニタリング調査もございますので、こういった面でも活用を検討していきます。
また昨今、社会情勢を踏まえて、資機材の早期確保によって円滑な事業実施が見込まれるような工事等あれば、こちらについても活用していきたいというふうに考えております。あと、いわゆるゼロ県債の趣旨に沿って、年度初めの端境期において、受注者の仕事が確保でき、年間の事業量の平準化が見込めるようなものについても、もちろん活用を検討していきたいというふうに考えております。

大村悠

そういった自然環境もそうですし、資機材の状況ということも今、御答弁をいただきました。
やはり税金として、県の事業として予算を組んでいるわけですので、ただ事業をやっているというだけではなく、効果的に、より有効的にそういった予算が活用されるように、こういったゼロ県債も有効的に活用していただくことを要望いたしたいと思います。

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