令和5年

令和5年第2回定例会【環境農政常任委員会】(土地改良施設危険防止対策)

会議日:令和5年6月29日【 環境農政常任委員会 】答弁要旨

土地改良施設危険防止対策など

大村悠

次の質問に入ります。こちらも、6月補正予算案の土地改良施設危険防止対策、農業用排水路整備、過年度災害復旧について伺いたいと思います。

まず、土地改良施設危険防止対策事業費について、今回の補正予算案では相模川水系ほかで工事をするということなんですが、どのような整備をどこで実施するのか、まず確認をしたいと思います。

農地課長

今回の補正予算では、幹線排水路と並行し、幹線の水路から農業用水を分配するための側水路において蓋を設置するなど、転落防止対策を予定しております。

これまで県では、基幹系農業施設である通し孔や農業用の水路については転落防止対策を行ってきました。一方で、幹線水路と比べ水路の幅が狭く、水路も浅い側水路は、人などの転落による事故が想定されなかったことから、これまで転落防止対策を行ってきませんでした。

今回、水路パトロールなどにより改めて重点的に調査したところ、県が所有する側水路全長約5.2キロのうち約1.6キロの間で、人の通行の確認や水路の配置状況等から安全対策を行う必要があると判断したため、相模川水系では伊勢原市内で、酒匂川水系では小田原市内で、合計約400メートルの整備を予定しております。

大村悠

5.2キロということなんですけれども、今年度はどのぐらいの長さの工事をするのか確認したいと思います。

農地課長

今回は合計で400メートルの予定でございます。

大村悠

この400メートルの選定の理由というのはどういったことなのか伺いたいと思います。

農地課長

今回、水路については、4月から5月について強化して水路調査を行いました。その結果、側水路についてではございますけれども、幅で30センチ程度のものから1.5メートル、様々な状況があったというところでございます。

その結果、今回、水路については、危ないところ、幹線水路以外について防護柵を作るというふうになっておりますが、側水路については、平成30年に小田原市内における幹線水路の側水路において の転落事故があったことから、今回調査を行って、危ないところについては蓋がけなどをするというふうに決めたところでございます。

大村悠

転落事故が発生してしまったからということで、今回、特に危険なところの400メートルを工事するということになったと理解はしているのですけれども、それ以外の4.8キロ分というのも、今後随時工事していこうと考えているのか、考え方を伺いたいと思います。

農地課長

当面3か年にわたり、緊急的に全体調査をした結果、1.6キロについては工事をしようとしています。その後、3年後になりますけれども、残りの区間についても改めて調査をして、蓋がけ等の工事をしていくというふうに考えております。

大村悠

これまで事故想定をしていなかった中でこういった転落事故が発生してしまったということは、県としても、リスク管理、改めてしっかり調査をしていくことが重要だと考えていますので、他のところも含めて、これからもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

次に、農業用排水路整備事業について伺いたいと思いますけれども、今回の補正予算案で具体的にどのような整備をするのか伺いたいと思います。

農地課長

今回の補正予算で、水路工の延長としては40メートルの整備を予定しています。整備区間の水路につきましては、側壁、底面ともにコンクリートでできている水路でございます。

ただし、その水路の壁面上部ののり面については、降雨時に周辺の住宅地から水路へ雨水が流入するというふうなことになっておりますので、コンクリートののり面についても整備がされている状況です。

整備に当たり、一部の側壁の裏側が陥没していたため施設の状況を調査したところ、水路側壁の劣化、腐食が進み、水路と水路を接続する継ぎ目に当たる部分のねじが欠損していました。

また、漏水や水路内の土砂の堆積も見られたことから、詳しく調査をしたところ、水路壁面の上部ののり面のコンクリートの継ぎ目の部分から雨水が流入し、欠損した水路壁面の継ぎ目から土砂が流出しているということが分かりました。

よって、農業用水の安定確保を図るために、水路壁面の上部ののり面のコンクリートを全て取り壊し、陥没等を砕石等で埋め、改めてコンクリートで覆

う工事を予定しております。

大村悠

欠損とか土砂が水で流れてしまったりと答弁いただきましたけれども、この工事はどのぐらいの時期にやるのかと、それまでの間、事業者の活動にとって影響は大丈夫なのか伺いたいと思います。

農地課長

工事は、水が流れていると工事ができませんので、秋口の11月頃から3月ぐらいまでの工事を予定しています。今回、農業用水の通水に関しては支障がない形になっていますので、そこは問題ない状況でございます。

大村悠

11月から3月ぐらいにかけて工事をされるということなんですけれども、この間は、この事業者の皆様への影響はないのか伺いたいと思います。

農地課長

仮設的なものとしては、水がそこの部分に入ってより浸食されることが拡大されないようにという対応をしておりますので、農業用水の通水等については影響がないという状況でございます。

大村悠

影響はないとはいえ、工事をやるということですので、近隣の事業者様への事前の説明など、丁寧にやっていただきたいと思います。

次に、過年災害復旧費について伺いたいと思いますけれども、まず、今回予算計上する曽我大沢地区の概要について伺いたいと思います。

農地課長

今回、6月補正予算で計上している過年災害復旧費は、令和3年7月2日から3日にかけて梅雨前線が太平洋沿岸で停滞したことにより県内各地で大雨となり、県西部を中心に災害が発生し、小田原市曽我大沢地区の農地災害について復旧工賃を補助するものでございます。

曽我大沢地区では、水路、農道、農地、全てが被災したことから、令和4年3月には災害復旧工事に着手し、令和5年3月31日に完了しています。

そのうち農地の災害復旧事業については、被災したときには見えない部分が多かったことから、測量結果に基づき、補助対象になる工事費用を国へ総額申請し、これも令和5年3月31日に認められました。

そのため、国の令和4年度内の予算割当てではなく、今回補正予算を計上し、県の予算措置後に令和5年度予算として国から割当てをいただいて交付をするというふうに予定しています。

大村悠

これまで、三つの事業について、農業水利施設等の補正、生産基盤の整備について、様々確認をさせてもらいましたけれども、今後の整備方針について最後に伺いたいと思います。

農地課長

県が所有する基幹的な農業水利施設は高度経済成長期の昭和40年代に築造や改修された施設が多く、老朽化が進んでいます。そのため、施設の状況を適切に把握しながら、頻発化・激甚化する災害に対応した農業用排水路等の改修整備や長寿命化対策を適切な時期に実施し、安定かつ持続的な農業生産を支え、県民に新鮮で安全・安心な農産物を供給していきたいと考えています

大村悠

この農業用水につきましては、農業生産にとっては欠かすことができない生産基盤だと思います。

その中でも、やはり、安全対策、人命を守る、けがをさせないということも両輪で進めていただくことを求めたいと思います。

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