令和5年

令和5年第2回定例会【環境農政常任委員会】(地球温暖化対策計画の改定骨子案)

会議日:令和5年6月29日【 環境農政常任委員会 】答弁要旨

地球温暖化対策計画の改定骨子案

大村悠

次に、神奈川県地球温暖化対策計画の改定骨子案について伺いたいと思います。

まず最初に、なぜ今回この計画を全面改定することになったのか、理由、背景について確認したいと思います。

脱炭素戦略本部室長

地球温暖化対策計画を全面改定する理由についてでございますけれども、国は、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しておりまして、2021年4月には、2030年度の目標値として温室効果ガスを2013年度比46%削減することを目指すことを表明しております。

また、同年6月には、地域脱炭素ロードマップを策定しまして地域脱炭素の工程と具体策を示すなど、脱炭素社会の実現に向けた取組を加速させております。

こうした国の動向ですとか社会情勢の変化等を踏まえまして、本県の地球温暖化対策計画につきましても、2050年に目指すべき姿や基本方針、各種目標、具体的な施策などにつきまして全面改定をすることとしたものでございます。

大村悠

その中で、再生可能エネルギー設備の導入目標について伺います。

改定骨子案では、2030年度の導入目標として、太陽光発電で200万キロワット以上、再生可能エネルギー全体で270万キロワット以上を増やすとしていますけれども、まず、これまでの計画であったスマートエネルギー計画での目標と直近の導入状況について確認したいと思います。

脱炭素戦略本部室長

まず、かながわスマートエネルギー計画における2030年度の導入目標でございますけれども、太陽光発電は815万キロワット、再生可能エネルギー全体では883万キロワットとなっております。

次に、直近、2021年度の導入実績につきましてですけれども、太陽光発電は103万キロワット、再生可能エネルギー全体では171万キロワットとなってございます。

大村悠

この数字に関しましては、産業労働常任委員会でも取り上げ、その目標に対して数字がよろしくないという中で、やはり、改めて、県内の状況とか能力をしっかり調査してもらいたいということで要望させていただきました。

その上で、今回の改定骨子案では、この目標が下がっている形で報告をいただいていますけれども、下がったとはいえ、現状の数字から見ると達成への道はなかなか難しいのかと感じるんですけれども、そこら辺を県としてはどのように考えているのか伺いたいと思います。

脱炭素戦略本部室長

今回設定いたしました2030年度における太陽光発電導入目標につきましては、国が2030年度の目標を2019年度実績の2倍としていることを踏まえまして、本県の2019年度実績92万キロワットの2倍強となる200万キロワットとしたものでございます。こちらにつきましては、直近の実績の約2倍というような高い目標となっております。

そして、この高い目標をどのように取り組んでいくかということでございますけれども、今年度、太陽光発電導入の拡大をしていくために、補助金等の支援策、こちらを充実強化しております。具体的には、事業所向けの自家消費型再生可能エネルギー導入費補助の予算額を前年度の約3倍、住宅向けの太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費、いわゆる住宅用0円ソーラーの予算を2倍化するなど、予算の強化をしておるところでございます。また、補助金等の支援以外にも、県民や事業者の皆様に太陽光発電を自分事として捉えていただくために、例えば、工業団地などにおいて、ニーズ調査を実施した上でアドバイザーを派遣するなど、ターゲットを絞った重点的なプッシュ型の取組を展開することとしております。

こうした支援策につきましては、毎年度その成果を見極めまして、より効果的な事業の見直しを行うことで、さらなる太陽光発電利用の拡大を図ってまいりたいと考えております。

大村悠

これまでの計画の目標に比べては、正直、県のキャパシティ的にも厳しいんじゃないかという話だったんですけれども、今回目標が下がったということで、逆に、達成しなければいけない数字になったと思います。
取組の計画等、答弁いただきましたが、しっかりと結果にコミットする形でこれからも取り組んでいただくことを要望したいと思います。

次に、改定骨子案では、施策の実施に関する目標については今後設定されるということですけれども、今後どのような考えで取組等を設定されていくのか伺いたいと思います。

脱炭素戦略本部室長

施策の実施に関する目標、いわゆるKPIにつきましては、今後素案の中でお示ししていく予定でございますけれども、設定の考え方につきましては、施策の効果を検証する、としての中柱にその効果を端的に表すことができて、かつ毎年度実績を把握することが可能な目標、例えば、現段階の想定でございますけれども、省エネルギー対策・電化・スマート化といった中柱であれば、年間エネルギー消費量の削減率、こういったものをKPIとして設定することを考えております。

大村悠

こちらにつきましても、他の計画とも整合性を取る中でしっかりと設定をしていただきたいと思います。
これまで計画改定の中での内容について確認をさせてもらいましたけれども、この6月に環境農政局に脱炭素戦略本部室が設置されて体制が強化されましたが、この局では、前の農水産もそうですけれども、こういった組織改編に伴いましては、組織が変わるだけではなくて、取組も強化されて、そして、組織改編が有効なものだったとしっかりと県民の皆様にも認識してもらうことも重要だと考えています。

今後、脱炭素社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、脱炭素戦略本部室長に伺いたいと思います。

脱炭素戦略本部室長

まず、地球温暖化について申し上げたいと思いますけれども、国際社会では、化石燃料の大量消費が温暖化の要因であるということは疑う余地がないというのが共通認識でございまして、こうした温暖化による気候変動により、近年、毎年各地で豪雨災害が頻発をしているというのは、皆様御承知のとおりだと思っております。
こうした気候変動を最小限のものとするためにも、やはり、一人一人ができることから脱炭素に取り組んでいく、それが大変重要なことでございますので、今回の改定で骨子案を示しましたこの計画では、多様な主体が気候変動問題を自分事化し、オールジャパン、オール神奈川で取り組むことを基本方針とさせていただいております。
その上で、県の役割といたしましては、各主体の取組の後押し、それから、県庁が率先して実行する、この二つを柱として、計画で今回お示しした施策を着実に実施する。その体制として、今回脱炭素戦略本部室というものを設置したものでございますけれども、今後は、温室効果ガスの排出状況、あるいは、先ほど課長が答弁しましたKPI、こういったものを毎年度把握した上で、しっかりとPDCAサイクルを回した上で、効果検証と施策を見直して取組を加速させたい。
こういうことで、中期目標であるところの2030年度の温室効果ガス排出50%削減、こういった達成を目指してまいりたい、このように考えてございます。

大村悠

脱炭素社会の実現とか環境問題というのも、みんな大事だということは認識していると思うのですけれども、ただ、自分に何ができるのかというのと、自分がやって、すぐ結果につながるというのもなかなか難しい状況の中で、自分事化するというのは大変なことだと考えています。
そういった中で、今、様々答弁をいただきましたけれども、県として取組のPDCAサイクルを回すということも重要だと思いますし、そういった社会全体の雰囲気だったり状況を見極めつつ、県の取組も柔軟に変えていくことも重要であると思いますので、しっかりと、こういった計画を基に脱炭素社会の実現に向けて取り組むことを要望させていただいて、この質問を終わります。

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