議会日:令和7年6月30日【 防災警察常任委員会 質問】答弁要旨
「風水害・地震対策の強化について」

風水害・地震対策の強化について伺います。
昨年8月、西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨をもたらした台風第15号は、本県にも甚大な被害を及ぼしました。
また、令和6年1月には能登半島地震が発生し、その半年後の9月にも豪雨に見舞われ、深刻な二重被害が発生しました。
近年、全国各地で豪雨災害が相次いでいる状況を踏まえ、代表質問において我が会派から風水害対策の強化に関する質疑を行ったところであるが、それに関連して伺います。まず、水防災戦略には他局の取組も多く掲げられているが、くらし安全防災局として、ハード・ソフト両面の取組状況をどのように認識しているか伺います。

まず、ハード対策としては、遊水地や流路のボトルネック箇所等の整備や、河川の防災対策の充実強化に引き続き取り組んでおり、着実に進んできていると認識しています。
また、ソフト対策としては、昨年6月からかながわ防災パーソナルサポートを運用し、令和6年に台風10号が接近した際も、リアルタイムで防災気象情報や避難情報を発信することができていたことから、情報受伝達の充実強化などに取り組めていると認識しています。
さらに、令和6年に台風10号が接近した際にもたらされた大雨は、本県では、災害救助法が適用されるほどの大きな災害となりましたが、死者をゼロ人とすることができましたので、これらを踏まえれば、水防災戦略に基づく取組の成果は着実に表れているものと考えています。

ただいま答弁をいただいたが、防災対策においては、これをもって万全ということはなく、引き続き現場に即した取組を進めていただきたいです。
次に、報告資料に添付の参考資料において、LINEを活用した情報発信として「かながわ防災パーソナルサポート」の運用を開始した旨が示されています。
風水害対策の観点から、これをどのように活用していく考えか伺います。

かながわ防災パーソナルサポートは、リアルタイムの発信力が強いツールであることから、風水害が発生する前から逐次適切な防災気象情報などを発信し、引き続き風水害による被害の軽減に活用していきたいと考えています。
また、今年度はかながわ防災パーソナルサポートからつながる形で要配慮者の専用ページを新設し、要配慮者の特性に応じてふだんから備えておくべき内容や、災害が起きたときの対応などをまとめて発信できるよう機能強化を図る予定であり、風水害対策においても有効と考えています。
さらに、どのような物品をどの程度備蓄しておくべきかを検索できるページを設けるほか、避難生活や応急手当などをリアルに分かりやすく伝える動画を作成し、かながわ防災パーソナルサポートから見ることができるようにしていく予定です。
こうした取組により、かながわ防災パーソナルサポートを有効活用し、風水害対策に取り組んでまいります。

パーソナルサポートはプッシュ型の情報発信として有効であり、機能の充実も図られているとのことであります。
しかし、これを真に効果的なものとするためには、受信側である登録者数の拡大も重要と考えますが、現在の登録者数及び、今後どのように増加を図っていくのか併せて伺います。

現在の登録者数ですが、1万6,792名というのが午前9時頃で確認した情報になります。
また、増やしていく取組でございますが、かながわ防災パーソナルサポートを昨年6月に運用開始させて以降、防災に関するイベントや研修会、会議の場で、また、県のたよりや神奈川新聞の防災促進などの紙面で、さらに、知事が出演されるテレビやラジオといったメディアの場で、友達追加していただけるよう呼びかけるとともに、市町村や関係機関などにも友達追加に御協力いただくなど、引き続き取り組んでいきます。
また、今後は、呼びかけの発信を強化するため、友達追加を促すポスターを作成し、県庁や各地域県政総合センターなどに提示するほか、地震被害の軽減に向けた普及啓発に県と一緒に取り組んでいただいているかながわ減災サポート店や、包括協定に基づき県が作成したポスター掲示に御協力いただける事業者の店舗等に掲示していきます。 こうした様々な機会を積極的に捉えて、かながわ防災パーソナルサポートの友達追加を促す取組を進めていきます。

承知しました。
約一万六千人とのことであり、まだ十分な数とは言えない印象を受ける。登録者の拡大に向けた取組について答弁をいただいたが、今後も粘り強く取り組んでもらいたいと思います。
また、LINEによるパーソナルサポートのほか、県のホームページやX(旧Twitter)による情報発信も風水害対策に有効と考えるが、これらを県としてどのように活用しているのか伺います。

風水害の原因となる台風や大雨の場合は、災害の発生をある程度予測できることから、事前の注意喚起は非常に有効です。
そのため、大型の台風など大規模な風水害が予測される場合は、県のホームページに特設ページを設け、県からの災害情報や避難情報を発信する際の核となる発信源として活用しています。
具体には、特設ページは、あらゆる防災情報にアクセスできるポータル機能的な役割を担っているほか、風水害に対する知事メッセージを適時適切に掲載し、県民の皆様に対して風水害からの避難や対応を強力に促す発信源として活用しています。
一方、Xは短文によるリアルタイムの情報発信と、情報が素早く拡散しやすいという特徴があることから、実際に風水害が発生したときの個々の注意喚起や通行止めなどの情報を迅速に提供する際に活用しています。
このように、それぞれの媒体の特徴を生かした情報発信を適切に組み合わせて実施することで、風水害に対して効果的な情報発信となるよう取り組んでいきます。

近年、有事の際にはインターネット上で多様な情報が流通しており、中には誤情報や根拠のない情報も見受けられることからも、そのような状況下で、行政が正確な情報を発信する重要性は一層高まっています。
県民は災害発生時、まず県のホームページを確認することが多いと思われるが、アクセスが集中した場合、サーバーダウン等の懸念もあります。
こうした事態への備えや想定について、どのように対応しているのか伺います。

かながわ防災パーソナルサポートからの情報の多くは、県のホームページのサーバー上にありますが、サーバーの管理は他局が行っています。
他局から聞いている限りでは、セキュリティの関係上、詳細な状況を把握することはできませんが、東日本大震災を踏まえ、今後想定される大規模地震等の災害発生時にも業務を継続できるような体制でデータセンターを整備しているということです。
また、かながわ防災パーソナルサポートの本体のページについて申しますと、別の事業者で運営していますが、データセンターを複数利用していると伺っており、対策を講じるものと考えています。
なお、防災気象情報や被害状況など災害関連情報については、県の災害情報ポータルからも確認することができ、令和元年台風19号の際は、1日約16万件のアクセスがあったようですが、運用は問題なく継続して行えており、サーバーの二重化等も行われていると伺っています。こうした対策を進めていくことで、サーバーの災害対応もできるものと認識しております。

この点については、引き続き万全を期して対応することを求めます。
次に、かながわ防災パーソナルサポートの今後の展開について、特に地震防災の観点からどのように取り組むのか伺います。

かながわ防災パーソナルサポートについては、専門の事業者に作業を委託しながら、本格的な機能拡充に向けて現在取り組んでいるところです。
具体には、要配慮者の方の特性に応じた事前の備えや取るべき行動などを整理した専用ページを新設するなど、機能を拡充する予定です。
また、「私の被害想定」のほか、今年度作成する予定の防災に関する啓発動画や啓発冊子なども参照できるよう、防災に関する様々な情報にアクセス可能なポータルサイトとしての役割を強化させていきたいと考えています。

情報発信については、有事の際に確実かつ迅速に情報を伝達するため、デジタル技術の活用は極めて有効であります。
一方で、高齢者の中にはデジタル機器の操作に不慣れ、またはインターネット利用に抵抗感を持つ方も多いと思います。
こうした方々が情報から取り残されることのないよう、いわゆるデジタル格差の解消にも取り組む必要があると考えるが、県としての認識と対応方針を伺います。

地震防災戦略のプロジェクト2、防災に関する知識・意識の向上では、あらゆる媒体を活用した普及啓発を展開するとしており、紙媒体による普及啓発についても、引き続き取り組んでいく必要があると認識しています。
具体には、災害時の10のポイントをコンパクトにまとめたかながわけんみん防災カードの作成、配布を進めるほか、地震防災チェックシートをリニューアルするとともに、防災知識を一つにまとめた啓発冊子を新たに作成していく予定です。

今の答弁を踏まえ、デジタル格差の是正と併せて、紙媒体などを活用した周知啓発にも引き続き力を入れていただきたい。
令和六年度の事業実績には「地震防災チェックシート」の取組が記載されており、令和七年度の実施予定には「新規」とありますが、その違いについて確認したいと思います。

地震防災チェックシートは、七つのチェック項目をチェックしていくことで非常持ち出し品や屋内の危険箇所の確認、地震に備えて身を守る方法を家族で話し合うなどの事前の備えを簡単に確認できるものとなっています。
しかしながら、一般の方と要配慮者の方では、事前の備えとして留意すべき事項は異なりますので、今年度から一般の方向けのチェックシートに加え、要配慮者の方の特性に特化したチェックシートも作成することとしました。
また、これまでのチェックシートは、子供には読みにくいものでしたので、より親しみやすく分かりやすい子供向けのチェックシートも新たに作成することとし、これらに合わせて、これまで活用してきたチェックシートについても、内容の見直しを行っていく予定です。

チェックシートをより充実させ、要配慮者や子どもにも対応するとのことでした。
先日、地元の防災団体との意見交換の際、このチェックシートを紹介したところ、非常に有効な取組であるとの評価をいただいたが、参加者の誰もがその存在を知りませんでした。
このような有用な取組をより多くの県民に活用してもらうためには、普及啓発が重要であると考えるが、県として活用促進にどのように取り組むのか伺います。

地震防災チェックシートについては、PDFファイルにしたチェックシートを県ホームページやLINEを活用したかながわ防災パーソナルサポートからも入手できるようにすることで、多くの人に手軽に見てもらうようにしています。
また、防災関係のイベントや研修会で地震防災チェックシートを配布するほか、希望する県民に送付するなど、紙媒体での啓発にも取り組んでいます。
さらに、より多くの県民の皆様に防災に関心を持ってもらえるよう、防災デザインコンテストを今年度開催することとし、現在デザイン募集中ですが、最優秀作品については、今年度、地震防災チェックシートを見直しすることに合わせて、表紙として採用することとしており、目につきやすい、興味を持っていただきやすいチェックシートとなるようにしていきます。
こうした取組により、地震防災チェックシートが一層広まり、積極的に活用いただけるよう普及に努めていきたいと考えております。

パーソナルサポートの取組や関係団体との連携を通じ、これらの施策を広げることが可能と考えますので、引き続きしっかりと推進することを求めます。
報告資料には地域防災計画の修正概要が示されており、前回の修正内容について確認します。
また、先の代表質問において、我が会派の田中徳一郎議員に対し、知事は「激甚化する災害への備えはまだ十分ではない。能登半島の複合災害の教訓を生かす」との答弁がありました。
今後の水防災戦略改定に当たり、どのような課題を認識しているのか伺います。

令和2年に水防災戦略を作成して以来、河川や土砂、海岸道路などのハード対策については、着実に取組を進めてきていますが、まだまだ十分とは言えない状況と認識しています。
また、能登半島では、昨年1月の大規模な地震から被災地の復旧復興、被災者の生活や事業の再建に動き始めた9月に台風14号の記録的な豪雨が襲来し、地震で緩んだ地盤が崩れ、広範囲で土砂災害が起こり、復興途上であった河川も随所で氾濫し、道路の被災や停電、断水など再び孤立地域が発生しました。
近年、気候変動の影響により、全国各地で深刻な風水害が毎年頻発している状況を踏まえると、地震と風水害の複合災害は今後も発生する可能性があることから、今回の能登半島地震での災害の状況を踏まえた対策にも取り組んでいく必要があると認識しています。

ただいまの認識を踏まえ、水防災戦略の改定に向け、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

まずハード対策ですが、遊水地や流路のボトルネック箇所などの整備や、河川の防災対策の充実強化、土砂災害防止施設の整備などについては、さらなる強化を図る必要がありますので、引き続き水防災戦略に位置づけ取り組んでいきます。
また、能登半島地震で発生した複合災害を踏まえ、地震で緩んだ地盤がその後の風水害で複合災害を引き起こす場合があることなど、複合災害のリスクに関する普及啓発や、後発の災害の危険が高まった場合の注意喚起を強化する取組などを新たに位置づけることについて検討していきます。
さらに、今年3月に新たに策定した地震防災戦略の内容を踏まえ、水防災戦略にも取り入れるべき対策があれば新たに盛り込んでいく予定です。
こうした観点から水防災戦略の見直しを進め、さらなる風水害対策の強化を推進してまいります。

災害の激甚化が進む中、「想定外」と言われる事象も少なくない。そうした事態を少しでも減らすべく、あらゆる観点から想定を重ね、対策を講じていただきたいと思います。
それでは要望を申し上げます。
風水害対策は地震災害と異なり、発災前から災害リスクの高まりを予測できることから、災害前に可能な限りの対策を講じることが極めて重要であります。
また、能登半島における大規模地震とその後の豪雨被害を踏まえ、複合災害への警戒や孤立地域への備えを戦略の重要な柱として位置づけるべきであると考えます。。
以上の点を踏まえ、令和七年度の水防災戦略改定に向けて、的確かつ着実に取り組まれるよう要望して、この質問を終わります。
自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠