令和7年

中小企業の生産性向上への支援について【令和7年第3回定例会】

議会日:令和7年10月2日【デジタル・新産業・健康特別委員会 質問】答弁要旨

「中小企業の生産性向上への支援について」

大村悠

私からは、生産性向上・人材確保への支援についてお伺いをしたいと思います。

県の将来人口推計・将来世帯推計によりますと、本県の15歳から64歳の生産年齢人口は、2025年から2040年にかけて約74.2万人が減少すると予測をされており、本県においても労働力不足の深刻化が懸念されます。
労働力不足の改善に向けては、人材不足のための取組に加えて、企業の生産性を向上し、必要とされる労働力全体を確保していくことが重要であると考えております。

そこで、生産性向上・人材確保に向けた取組についてお伺いしたいと思います。
まず、生産性向上の取組についてで、県では生産性向上促進事業費補助金として生産性向上につながる設備投資に対する補助を実施していると承知をしていますが、これまでの実績について確認したいと思います。

中小企業支援課長

生産性向上促進事業費補助金は、令和6年度から実施している事業で、令和6年度は1,500件の申請があり、最終的には938件の申請に対し約28億7,000万円の補助金を交付しました。 なお今年度は8月末時点で1,423件の申請がありました。8月末時点で既決の予算にまだ若干の余裕が見られたことから、現在、9月8日から10月3日までの間、二次公募を行っているところです。

大村悠

令和6年度、7年度、約1,500件の申請があったということで今説明ありましたが、そもそものこの事業を発足した背景や狙いについては、どのようなものか確認したいと思います。

中小企業支援課長

先ほど申し上げましたとおり当該補助金は令和6年度から開始した事業です。前年の令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、社会経済活動の正常化が進む一方で、物価高騰や深刻な人手不足などの新たな課題により、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。
そうしたことから、県内中小企業がそれらの課題を乗り越えていくためには、生産性を向上し、稼ぐ力の安定強化を図ることが重要であるとの認識の下、中小企業の行う生産性向上に向けた取組を支援するため、生産性向上促進事業費補助金に新たに取り組むこととしたものです。

大村悠

この補助金を活用して実際にどのような設備等が導入されているのか、具体的な導入事例をお伺いします。

中小企業支援課長

具体的な導入事例といたしまして、主に飲食店や食料品製造業、宿泊業において複数の調理工程を自動化できるスチームコンベクションオーブンや、主に金属製品製造業において作業のスピードアップを図ることのできるレーザー溶接機、主に飲食店やサービス業において省力化を図ることのできるキャッシュレス券売機などの申請がございました。

大村悠

この補助金の補助対象者は県内の中小企業者となっていますが、実際に補助金を活用した事業者の規模や業種に特徴はあるのかお伺いします。

中小企業支援課長

令和6年度、7年度ともに製造業を営む事業者からの申請が最多となっているものの、先ほども答弁しましたとおり様々な業種の事業者から申請をいただいております。
事業者の規模ですが、中小企業と小規模企業者の割合が中小企業者3、小規模企業者7となっており、中小企業よりも補助率が高い小規模事業者からの申請が多くなっています。

大村悠

実際採択をされて補助をした事業者の導入後や、その後の事業者からの報告といった仕組みはありますか。

中小企業支援課長

まず補助金交付後のチェックといたしまして、交付後3年間について、事業者から売上高報告として決算書類などの提出を求めており、提出された書類を基に、設備導入後の付加価値額の増加状況等を確認することとしています。
また、フォローとしては、思うように付加価値額が増加していない事業者や、希望する事業者に対し補助金交付後のフォローアップ支援として専門家派遣を実施しているところです。

大村悠

この事業のスタートした背景として、稼ぐ力の安定強化ということの答弁がありましたが、フォローも県としてしっかりとやってもらいたいと思います。 また、採択をした事業者が廃業になった、倒産になった、そういった事例はありますか。

中小企業支援課長

この補助金、昨年度から実施しているものでして、現時点ではそういった事業者というものは承知をしておりません。

大村悠

再三申しているとおり、稼ぐ力をつけてもらうための県のサポートを引き続きしっかりと行ってもらいたいと思います。
また、相談機関として、神奈川産業振興センター、KIP、神奈川県中小企業団体中央会、各地域の商工会議所、商工会などの多くの機関が掲載されていますが、相談件数はどの程度あるのかということと、相談内容は具体的にどういったものが多いのか、お伺いしたいと思います。

中小企業支援課長

相談件数、あくまで申請者の申告ベースではありますが、今年度8月末までの申請事業者1,423社のうち2割弱に当たる260社程度が公募要領に記載しております相談機関に事前相談を行っております。
相談機関では、申請手続全般について相談を受け付けていますが、中でも補助事業計画書の作成に関する相談が多いと聞いております。

大村悠

確認になりますが、この事業に関します各機関に行った相談は、県はしっかりと把握して、共有されているものと認識してよろしいんでしょうか。

中小企業支援課長

相談機関等に事前相談を行うかどうかというものは申請者の任意となっております。
相談先についても、公募要領に記載しております相談機関に限定してはおりませんで、実際に相談を行っている申請者の相談先は、民間のコンサルタント会社などを含め様々です。
また、事前相談を受けたかどうかということは、審査の際に考慮しないこととしておりまして、そうした支援と審査をきちんと明確化するという意味でも、相談状況や相談内容の共有はあえて行っておりません。

大村悠

審査の対象になる、ならないに限らず、県の事業の制度設計として、事業者がどういったことで困っているのか、制度的にどういった問題があるのかということを把握するためにも、相談内容を共有して県として把握することは重要だと思いますので、検討してください。

続きまして、ロボットの実用化・普及の促進についてお伺いしたいと思います。

産業振興課長

報告資料によりますと、ロボット実装促進センターの取組について記載がありますけれども、まず、ロボット実装促進センターの概要と今年度の予算額についてお伺いします。

ロボット実装促進センターでございますが、県内の商業施設や宿泊施設などの施設を対象に、施設が抱える課題などを抽出、整理いたしまして、課題の解決や生産性向上などに資するロボット等とのマッチングや、本格導入をワンストップで支援しております。

また、令和7年度当初予算でございますけれども、ロボット実装促進事業費としまして、合算で約1億6,500万円を計上してございますが、この内数といたしまして、ロボット実装促進センターの予算を5,000万円計上いたしております。

大村悠

続きまして、ロボット実装促進センターに昨年度どのくらいの件数の相談があったのかということと、どのような相談が多かったのか、併せてお伺いします。

産業振興課長

令和6年度の相談件数でございますが、延べの数といたしまして283件となってございます。
分野としては、商業施設や文化観光施設からの相談が特に多くなってございます。

どういった相談がということですが、なかなか様々な相談に分かれてございますが、相談の例といたしましては、県の支援メニューの内容の確認であったりとか、資料提供の相談もある一方で、例えば清掃ロボットの導入を検討しているんだけれども、自分たちニーズに対応可能なロボットはいないか探している、検討したくなる情報があればアドバイスをもらいたいといった話ですとか、あと、人員不足を解消する案内係としまして、できるだけ費用をかけずに導入できるロボットがあれば検討したいなど、ロボットの導入につながるような相談も寄せられているところでございます。

大村悠

この促進センターにつきましては、当初からロボット産業特区の取組の中で、開発が進んでいるもののなかなか実装が進まない、そういった背景もあったということも承知していますけれども、ロボット実装促進センターではどのような指標を目標として設定しているのかということと、その目標に対しての実績はどうだったのかお伺いしたいと思います。

産業振興課長

ロボット実装促進センターでございますが、一つ、センターのコーディネーターさんがコーディネートした施設というのを目標値に設定してございまして、令和6年度の実績でございますが、200件の目標に対しまして180件という状況になってございます。

様々な施設でロボット導入を進めていくためには、まずは施設の課題を掘り起こしまして、課題解決に資するロボットや導入に向けたアドバイスを提案する、コーディネートするということが導入の第一歩となることから、コーディネートした施設を目標として設定してございます。

大村悠

コーディネートするという、その定義がいまいち理解できていないんですが、相談をしたらコーディネートしたというのに含まれるのか、実際にマッチングまで、結びつくことがコーディネートなのか、その辺りを確認させてもらってよろしいですか。

産業振興課長

言葉の定義づけ様々ございますが、ここでいうコーディネートは、ロボットの活用方法等のアドバイスや、引き合わせてそこで相談のやり取りを業者がするという、そういう状態をそのように定義しています。

大村悠

このセンターの主要業務の一つが、施設とロボットとのマッチングだと思いますが、実際に施設とロボット、企業をマッチングした事例はどのようなものがあるのか、具体的にお伺いしたいと思います。

産業振興課長

様々事例ございますが、実際に施設とロボット機をマッチングした例といたしまして、例えばですが、広い敷地、施設内の来館者の案内、誘導機能、そういったことが課題となっている施設に対しまして、来館者の目的地までの案内、誘導ですとか、施設概要の説明、紹介が可能な案内ロボット、そういったものの実証実験を行いまして、それについては有効性が認められたため、その後、実証施設にロボットが導入まで結びついたという例が報告ございます。
また、介護老人福祉施設等において、施設入所者への介助といいますか、お手洗い、トイレに誘導するタイミング、それを図るようなところについて、何か改善がというところの話がございまして、改善をしたいという要望がございまして、入所者を、ここで排尿時期ですとか排尿量とか体の姿勢とか温度などを検知できるセンサー型のおむつ関係のロボット機能、センサー機器のあるもの、その機器の導入の実証試験を行いまして、効果が認められたところから、複数の施設で実際に導入するなど、そういう事例もございます。

大村悠

具体について今説明いただきましたが、実際マッチングした件数というのは、その実証実験と導入と合わせて、どのぐらいの数、マッチングされたのかをお伺いしたいと思います。

産業振興課長

相談というのは、先ほど283件ということでございますけれども、施設とロボット企業をマッチングした件数となりますと、19件ほどとなっております。
マッチングした事例の公表につきましては、マッチングした事例のうち、施設の仕様などに合うようにロボットを改良するための経費、それを導入支援サポートの事例につきまして、サポートブックにまとめて様々公表しているということもしております。

大村悠

このロボット実装促進センターの予算額が大体6,000万円ほどということ、その中で実際にマッチングした件数が19件と今答弁ありましたが、この数 字に関しては県してはどう捉えているのでしょうか。
先ほどの目標値としてはコーディネートする数ということでありましたが、実際これだけの予算をかけてやっているわけでありますから、マッチングをして、導入をしてもらうというところまでが、このセンターの目的だと私は認識をしております。
そういう中で、コーディネートしたからいいというわけではなく、なぜ導入してもらえないのか、そういった課題もしっかりと分析をしながら、ロボットの実装に向けて県として取り組んでもらいたいと思います。

続きまして、このロボット実装促進センターの利用を促進するためには、より多くの施設の方にセンターのことを知ってもらうことが重要だと考えますが、県としてどのように広報の周知活動をしてきたのか、お伺いしたいと思います。

産業振興課長

県が直接周知活動している例といたしましては、昨年度等については、県内の施設に直接電話連絡等を行うような営業活動を行ったりするとともに、あとは特区区域の12市町、さらには、全県的に特区内の市町ですとか、商工会、商工会議所に出向いて、当該センターの支援制度について御案内申し上げております。

また、その他県内の様々な施設にチラシ、リーフレットなどを郵送するとともに、県のたよりなど、広報紙、その他、国・市、経済団体、ロボット関係機関等のメルマガですとか、経済ロボット関係団体、新聞社等のウェブサイト、様々な媒体を使いまして、広報活動、周知活動を行っているところでございます。

大村悠

分かりました。
実際、このロボット実装促進センターの存在を知っても、なかなか自分の企業には関係ないと思ってしまう事業者もいらっしゃるかと思いますので、実際にマッチングした事例を紹介したり、各企業・施設が前向きにロボットの実装に向けて検討してもらえるような広報活動に努めていただくことを求めます。

最後に要望を申し上げます。
労働力不足については、将来の人口推計を踏まえると、今後さらなる深刻化が懸念されます。
労働力不足の改善のためには、単一の取組ではなく多角的なアプローチが必要であることから、関係機関ともしっかりと連携しながら、県全体で労働力不足の改善に取り組むことを要望して質問を終わります。

自由民主党 神奈川県議会議員:大村 悠

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