令和2年

③ 令和2年度第1回定例会【障害者手帳の利便性向上について】

会議日:令和2年2月25日【 一般質問 】答弁要旨

 障害者手帳の利便性向上について(障害福祉課)

大村悠

障がい者が優待サービスを受けるためには、障害者手帳の提示を求められることが多いが、紙製で劣化しやすい、持ち運びがしづらいなどの声がある。
また、発行自治体により様式が異なり、事業者にもわかりづらく、手帳の提示に心理的負担を感じる方も少なくないと聞く。

県は、今後、障害者手帳のカード化に取り組むとのことだが、こうした課題の解消にもつながるため、できる限り早い実施を期待する。 

また、障害者手帳の情報をスマートフォンで表示するアプリ「ミライロID」は、協力施設等で、画面の提示によりサービスを受けられるため、利用施設等の拡大が期待されるが、県施設で利用できれば、障がい者がより外出しやすい社会につながると考える。

そこで、障害者手帳のカード化にどのように取り組んでいくのか、また、県施設で「ミライロID」を利用できるようにするべきと考えるが、併せて見解を伺いたい。

神奈川県
知事

最後に、障害者手帳の利便性向上について、お尋ねがありました。

障がい者の社会参加を促進するためには、障がい者が外出し、活動しやすい環境を整えることが重要です。

現在、様々な施設等で導入されている障がい者向けの優待サービスは、そのための有効な取組の一つであると認識しています。

まず、障害者手帳のカード化についてです。

障がい者の方が施設等で優待サービスを利用するには、障害者手帳の提示を求められることが多いため、まずは、携帯しやすいものにすることが必要です。

そこで、県では、国の制度改正を受け、障害者手帳を、現在の紙製の折りたたみ式のものから、プラスチック製等のカード形式で発行できるよう、令和2年度当初予算案に、その準備のための経費を計上しました。

カード化に当たっては、障がい当事者のご意見を伺うとともに、県内で障害者手帳を発行している政令市等とも、様式の統一ができるよう調整を進め、令和3年度中には、カード形式での交付を開始したいと考えています。

次に、県施設における「ミライロID」の活用についてです。

障害者手帳の情報をスマートフォンに取り込む「ミライロID」のようなアプリが、施設等の窓口で利用できれば、障害者手帳を提示する煩雑さや、心理的な負担を感じることもなくなり、利便性は一層向上します。

そこで、県では、まず、一部の県立施設で、先行的に「ミライロID」を活用した障がい者向け優待サービスの利用を開始し、利用上の課題がないかを検証しながら、他の県立施設への拡大を検討していきます。

県としては、こうした取組により障がい者の社会参加を促進し、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現に取り組んでまいります。

私からの答弁は以上です。

大村悠

要望です。

大村悠

まず、障害者手帳の利便性向上についてです。

障害者手帳のカード化については、先ほど知事からも前向きなご答弁をいただきましたので、着実に準備を進めていただくことを要望いたします。

また、ミライロIDについても、前向きなご答弁をいただきました。

県の施設での利用が、民間施設等でのさらなる利用にもつながると私は考えますので、できるだけ多くの県の施設で利用できるように取り組んでいただくことを要望いたします。

また、こうした取組により、障害者手帳の利便性は向上しますけれども、一方で、疾病などが原因で、相当な期間にわたって日常生活上の不便を強いられているにもかかわらず、障害者手帳が交付されずに、様々なサービスを受けられない方もいらっしゃいます。

その代表的な例の一つが、ペルテス病の患者の方です。

 ペルテス病は、股関節に起こる子どもの病気で、大腿骨頂の血のめぐりが悪くなって、弱い状態となり、つぶれて変形してしまうものです。適切な治療をすれば完治するのが一般的と言われていますけれども、治療期間中は装具を付けることを余儀なくされるなど、生活に大きな制限を受けています。

ところが、ペルテス病は、将来的に回復が見込まれていることから、身体障害者手帳の交付が受けにくいということです。

障害者手帳の利便性の向上については、積極的に進めてもらいたいと思いますけれども、同時に、このように、制度のはざまで必要な支援が行き届かずに、苦労をされている方への支援についても、ぜひ、検討していただくよう要望いたします。

次の質問は、【県のDV対策について】です。
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