県政の諸課題について
認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題について( 高齢福祉課、地域福祉課、住宅計画課 )
認知症高齢者が所有する住宅は全国で約220万戸あり、全住宅の30戸に1戸に当たるとの民間シンクタンクによる推計結果が7月に公表され、今後、大きな社会問題となることが指摘されている。
新型コロナウイルスの影響により、子どもが住宅の所有者である遠方の親に会えない間に親の認知機能が低下し、意思確認ができなくなってしまったため、住宅の売却手続が中断するケースが出ており、これまで潜在化していた認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題が、表面化、深刻化していると強い危機感を抱いている。
こうした問題を解決していくためには、福祉、住宅といった部局横断的な連携と協力が極めて重要であり、県民の財産を守っていく上でも、早急に対策を講じていくことが求められる。
そこで、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題について、今後、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。
認知症高齢者は、2025年には65歳以上の5人に1人に達し、今後、認知機能の低下によって所有する住宅を処分できない高齢者が出るなど、財産管理への影響が危惧されています。
このため、県では、判断能力が十分でない認知症の方などの財産を守るため、成年後見制度の活用促進について、パンフレット等により周知しています。
また、各市町村では、住宅などの財産管理に関する相談窓口を記載したパンフレット「認知症ケアパス」を作成しており、県はポータルサイトで各市町村のケアパスをまとめてお知らせしています。
さらに、空き家対策の面から、県や市町村の住宅、福祉の関係部局や、不動産団体等からなる「県居住支援協議会」において、高齢者に住まいの利活用等を検討していただくための、「わが家の終活ノート」を作成し、市町村の窓口などで配布しています。
コロナ禍の影響で、人と人との交流が制限される中、高齢者の認知機能の急激な低下が懸念されており、住宅の財産管理に支障が生じないよう、福祉や住宅分野が一層連携して、対応することが必要です。
そこで、成年後見制度のパンフレットや「わが家の終活ノート」に、誰もが認知症になる可能性があることや、その前にどのような対策を取るべきかなど、より認知症に焦点をあてた記載を、新たに盛り込み、高齢者やそのご家族への周知を強化していきます。
また、県が行う、市町村の住宅及び福祉の担当職員等を対象とする研修に、認知症の方の、住宅の財産管理をテーマに加え、認知機能が低下する前に、対策を講じておくことの重要性を伝え、早期の支援につなげていきます。
県は、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理を支援し、安心して暮らせるよう、住宅や福祉の関係部局が連携して、しっかりと取り組んでまいります。
要望です。
次に、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題についてです。
コロナによって、家族との面会の機会が減ったり、外出や体を動かす機会が減ったりと状況は日々変わり、課題や背景も変化していきます。県として、これまで住宅問題に対して、協議会等を設けて福祉分野と連携して、しっかりと取り組んできたことは承知をしていますけれども、やはり、社会情勢や生活の状況が変わっている中で、都度、そういった課題にしっかりと向き合って、県としての施策も検証をしながら改善して、施策につなげていくことを求めたいと思います。
また、こちらも、地元の不動産関係の事業者の方に実際にお話を聴いてきたところ、やはりこういった認知症高齢者に関する事案が増えているということでした。高齢者やご家族への取組はもちろんのこと、また、そういった直接接している事業者の皆様ともしっかりと連携を図って、その中でしっかりと現状を把握して、相談等に対応していくなど、取り組んでいくことを求めたいと思います。
また、知事の答弁の中で、終活ノート等を活用しているというお話だったのですけれども、その終活ノートを使うには、市役所だったり区役所に対して、自分が動いて取り寄せなければいけないという状況の中で、一定のハードルが出てしまっているのではないかなと感じます。そうしたことからも、より多くの方に活用してもらえるという視点を持って、引き続き、やさしい形での施策を展開していくよう求めたいと思います。
次の質問は、【ねんりんピックかながわ2022の開催機運を高める取組について】です。
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